兵庫県西宮市出身の阪神ドラ1・下村 消防士の父から語り継がれた体験談と「1・17」への使命

2024年01月18日 05:15

野球

兵庫県西宮市出身の阪神ドラ1・下村 消防士の父から語り継がれた体験談と「1・17」への使命
阪神大震災の被災者を悼み、黙とうする阪神・下村(左)ら(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 6434人が亡くなり、3人が行方不明になった1995年の阪神大震災から29年となった17日、被災を経験したプロ野球の阪神とオリックス、サッカーJ1神戸、ラクビーリーグワン神戸はそれぞれの施設で黙とうをささげた。元日に起きた能登半島地震の被災地も思い、使命を再確認した。
 阪神は新人合同自主トレ開始前の午前10時に合わせ、兵庫県西宮市の鳴尾浜球場で被災者を慰霊する1分間の黙とうをささげた。粟井一夫球団社長はじめ球団関係者、選手ら50人が参加。西宮市出身のドラフト1位・下村海翔投手(21=青学大)はプロ野球選手として初めて迎えた「1・17」に決意を新たにした。

 「まだ生まれていなかったが、実際に経験した両親からは、いろんな話を聞いた。凄く怖い思いだった、と。小学校、中学校でも忘れてはいけないことだと学んだ」

 震災から7年後の02年生まれ。特にいまも尼崎市で現役消防士を務める父の体験談を聞いて育った。「いろんな救助に行った、と。(授業で)当時の写真や映像を見ても、いま住んでいる西宮市とは全然違う。ひどい姿」と胸に刻み、「ずっと引き継がれてきた。もう一度、再認識しながら黙とうした」と思いを込めた。元日には能登半島地震が発生。「苦労されている方がたくさんいる。プロ野球選手として少しでも元気や明るさを届けられたら…」と新たな使命を思った。

 当時、若手社員だった粟井球団社長は新規事業で携わっていた神戸市のレストランが全壊。「今回の能登半島の地震で29年前のことを思い出した。復旧はこれから。復興は本当に長く続くと思う。いまのわれわれも復興を背負っている。被災された方々に元気を届けられたら…。続けていくことが大事」と被災地に拠点を置く球団としての責務を再確認した。(遠藤 礼)

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