ヤンキースにとって悪夢の1週間、レッドソックスとオリオールズが極めて厄介な存在に

2024年02月04日 10:20

野球

ヤンキースにとって悪夢の1週間、レッドソックスとオリオールズが極めて厄介な存在に
ヤンキースタジアム Photo By スポニチ
 ニューヨークポスト紙のジョエル・シャーマン記者が3日(日本時間4日)、「この1週間はヤンキースにとって良くなかった」と指摘している。
 一つはベーブルースの呪いを解き、04年にレッドソックスを86年ぶりに世界一に導いた元GMセオ・エプスタイン氏が、フェンウェイスポーツグループのシニアアドバイザーとなり、オーナーグループにも参画、宿敵レッドソックスのリーダーの一員に返り咲いたこと。

 そしてそれ以上に厄介なのはオリオールズのオーナーが倹約家のジョン・アンジェロス氏から、勝つことに意欲旺盛で、高額の出費をいとわないデービッド・ルーベンスタイン氏とマイケル・アロゲッティ氏に交代すること。

 23年のサラリー総額は30球団中29位の7106万ドルだったが、近い将来、同球団のサラリー総額が著しく増えていく。近年ヤンキースを悩ませてきたのは過去7年間でワールドシリーズ出場4度、世界一2度のアストロズだった。17年、19年、22年と3度もア・リーグ優勝決定シリーズで敗れている。そのアストロズがホセ・アルテューべ(33)など主力選手の年齢が上がり、ようやくチーム力が下り坂にさしかかってきた様相だ。

 ところがそれに代わってオリオールズが台頭してきた。マイク・エライアスGMはアストロズの王朝建設に12年途中から18年まで関わった人物。18年11月にオリオールズのGMに就任し、アストロズ時代と同じドラフト重視の手法で若い有能な選手をかき集めてきた。アドリー・ラッチマン、ガナー・ヘンダーソン、ジャクソン・ホリディなどだ。

 他にもファームにはたくさん若手有望株がいて、同球団のファームシステムは30球団でトップと評価されている。そこに1日(日本時間2日)、ブルワーズのエース、コービン・バーンズのトレード獲得が発表された。交換要員はジョセフ・オルティス遊撃手、デイトン・ホール投手、さらに24年度の全体34番目のドラフト指名権だった。

 エライアスGMは「アストロズ時代、ジャスティン・バーランダーやゲリット・コールをトレードで獲得した時、ファームの層の厚さを生かすことができた。ただ今回(バーンズ)については少し悲観的だった。計画はしていたけど、このオフ、インパクトのある投手が何人トレードで獲得可能なのか?そこは確かではなかった。でもようやく手に入れられた」とシャーマン記者に説明している。

 オリオールズの強さは、若手有望株を2人失っても、依然ベースボールアメリカ誌のファームシステムランキングで1位であること。エライアスGMは「メジャーでプレーする準備ができている若い選手がたくさんいる。若い選手はこれからも長くオリオールズにいる。チームにとって良い時期が始まる。成功のために必要な投資もしていく」と言う。バーンズの代理人は辣腕のスコット・ボラス氏。ゆえに1年後にFA権を取得するバーンズと長期契約を結べるかどうかは定かではない。しかしながら少なくとも24年のオリオールズのローテーションのトップ3はバーンズ、カイル・ブラディシュ、グレイソン・ロドリゲス。ポストシーズンで戦えるメンバーだ。

 「(昨季)101勝のチームから90%から95%のメンバーが戻っている。我々にはチャンスがある」とエライアスGM。レッドソックスもオリオールズも強くなっていく。ヤンキースにとって悪夢の1週間だったのである。

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