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【目指せ100周年甲子園】和歌山・桐蔭の中尾 伝統の重み胸に飛躍を「自分が背番号1を背負って」

2024年06月25日 06:00

野球

【目指せ100周年甲子園】和歌山・桐蔭の中尾 伝統の重み胸に飛躍を「自分が背番号1を背負って」
今夏の背番号1襲名を目指す桐蔭・中尾(撮影・河合 洋介) Photo By スポニチ
 第106回全国高校野球選手権大会(8月7日から17日間、甲子園)の出場49校を決める地方大会が、今夏も幕を開ける。高校球児憧れの甲子園球場は、8月1日で開場100周年。その聖地を目指す創立100年を超える近畿圏の公立伝統校に、今年は屈指の好投手がそろう。夏本番を前に、いずれも甲子園出場経験のある大阪・北野(旧制北野中)、兵庫・姫路西(旧制姫路中)、和歌山・桐蔭(旧制和歌山中)の古豪3校に在籍する注目投手を特集する。(河合 洋介)
 過去に春夏通算36度の全国大会出場を誇る名門・桐蔭の歴史を更新しようと、2年生右腕が着実に力をつけている。今春、背番号10の中尾綾佑は、入学から約1年で球速が10キロ上昇し、最速140キロに到達。県内で評判の右腕になりつつある。

 「直球で押したり、三振を奪ったりできる投手かなと思います」

 同校は甲子園球場完成前の1915年第1回選手権大会に出場し、春夏計3度の全国優勝を数える。その伝統の重みとは裏腹に、中尾は「正直、学校の歴史をあまり分かっていなくて、入学して“これだけ伝統のある高校だったのか…”と知りました」と頭をかく。

 ボーイズリーグに所属した中学時代に投手へ本格転向するも、選手数が少なく、投手練習に専念した経験はなかった。「投球フォームは高校に入ってから変わりました」。学校が掲げる理念は「改革と伝統」。夏場もウエートトレに多くの時間を割いたり、学生スタッフを募集してデータ解析班を導入するなど、変化を恐れない土壌が成長を促してきた。

 まずは、今夏に伝統校のエース番号を襲名することが直近の目標だ。「先輩と野球ができる最後の夏なので、自分が背番号1を背負って勝利に導きたい。夏までに145キロ、最終的には150キロを出すのが目標です」。昨夏の和歌山大会では4強入りしており、86年以来38年ぶりの夏の甲子園出場へあと一歩。2年生右腕の勢いが歴史を動かす力となる。

 ◇中尾 綾佑(なかお・りょうすけ)2007年(平19)10月11日生まれ、和歌山県海南市出身の16歳。小1から巽ほがらかで野球を始めて捕手などを務める。中学は生石ボーイズに所属して投手に転向。桐蔭では1年夏に背番号20でベンチ入りし、2年春は背番号10。50メートル走6秒5、遠投95メートル。1メートル75、70キロ。右投げ右打ち。

 ▽桐蔭 1879年(明12)に和歌山中学校として開校。1948年から現校名。野球部は1897年創部。1915年夏の第1回全国中等学校野球大会に初出場し、21、22年夏には全国大会連覇を達成。27年春の選抜も制覇。過去に夏20度、春16度の全国大会出場。直近では15年春に21世紀枠で出場した。主な野球部OBに野球殿堂入りした西本幸雄(元阪急、近鉄監督)ら。今春、東大1人、京大1人、阪大11人など国公立大に多数の現役合格者を出した県内屈指の進学校。所在は和歌山市。

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