山田孝之&仲野太賀 映画「十一人の賊軍」でW主演 実力派2人が銀幕で火花
2024年05月27日 08:00
芸能
作品は「仁義なき戦いシリーズ」(1973年~)などを手掛けて東映黄金期の礎を築き、2002年に75歳で永眠した脚本家・笠原和夫氏が64年に執筆した幻のプロットがベース。当時は京都撮影所の岡田茂所長が結末に注文をつけてボツになったが、それを企画・プロデュースの紀伊宗之氏や白石監督らが暴力団の抗争などを描いた「孤狼の血」チームが引き継ぎ、“令和の仁義なき集団抗争劇”として世に放つ。
旧幕府軍と新政府軍が衝突した戊辰戦争。そのさなかに奥羽越列藩同盟軍から新政府軍に寝返った新発田藩だが、そんな中にあっても家老の策略で新政府軍(官軍)と戦うように仕向けられた罪人たちの葛藤が描かれる。
山田が「賊どもの生きざまが、見た人たちの心に届いて勇気づけることができるといいなと思っています」と力説すれば、仲野も「殺陣は初めての挑戦だったのですが、どんな大変なシーンでも信頼できるスタッフの皆さんのおかげで、確実に格好いい映像が撮れているという自信を持って最後まで走り切ることができました」と自信のコメント。
白石監督は「(『凶悪』以来10年ぶりの)山田さんは俳優としても人としても、大きく心強い存在でした。仲野さんは愚直で正義感あふれる侍を見事に演じてくれています」と2人を絶賛。「早く見てもらいたい」と話している。他の配役は今後発表される。(佐藤 雅昭)
≪「十三人の刺客」で有名作≫スター俳優の美しい殺陣を前面に出した時代劇が飽きられ、代わって登場したのが集団抗争劇。「大殺陣」(64年)、「十一人の侍」(67年)などがつくられたが、とりわけ、63年に工藤栄一監督が片岡千恵蔵主演で撮り、10年には三池崇史監督(63)が役所広司(68)主演でリメークした「十三人の刺客」が有名。白石監督は「笠原さんの名に恥じぬようにと…泥だらけになって撮影しました」と語った。