令和喜多みなみ・河野&爛々・萌々(1)漫才愛は止められない 相方の病気療養乗り越え「ド・根性ズ」結成

2024年08月26日 11:52

芸能

令和喜多みなみ・河野&爛々・萌々(1)漫才愛は止められない 相方の病気療養乗り越え「ド・根性ズ」結成
漫才ユニット「ド・根性ズ」を結成した爛々の萌々(左)と令和喜多みなみの河野良祐 Photo By スポニチ
 「令和喜多みなみ」の河野良祐(37)と「爛々」の萌々(26)。どちらも現在、相方が病気療養中のためピンでの活動を余儀なくされている。その2人がレギュラー出演するMBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して」が縁結びとなり、ユニット「ド・根性ズ」を結成した。相方への強い愛情を胸に抱きながらも、止むことのない漫才への渇望。「M-1グランプリ2024」1回戦ではその思いが結実し、出場した会場のTOP3コンビに選ばれた。ただただ純粋に漫才を楽しむ2人に失うものはない。ド根性で大会をかき回す。(取材・構成 江良 真)
【ド・根性ズインタビュー(1)】

◆ラジオで共演 背中を押してくれたパーソナリティー◆

 ―実はM-1の1回戦をたまたま見ていたらトリで出てこられて…。ぼく、結成されているの知らなかったんです。

 河野「いえいえ、そんな大々的に発表していないから当然です(笑い)」

 ―それでインタビューを申し込みました。

 萌々「そういえば、インタビュー初?」

 河野「確かにそうやな」

 萌々「取材ヴァージンです。よろしくお願いします(笑い)」

 ―(笑い)まずは結成までの経緯を教えてください。

 河野「相方が去年2月から休むようになったのでピンになったのですが…」

 萌々「私の方は8月ごろから相方が休んで、漫談とかをやるようになりました。ラジオで河野さんと一緒にさせてもらったのがきっかけですね」

河野「MBSラジオの“松井愛のすこ~し愛して”です」

 萌々「同じ番組のレギュラー同士が偶然相方がいなくなる状況なんてないから、愛さんが“何かやりなよー、2人で”って言ってくれてたんです」

 河野「軽い感じで言ってくれたのも気が楽でしたね」

 萌々「コンビ名も愛さんです。私、相方が休養してから根性です!とかよく言ってて、“ド・根性ズ”とかはどう?って(笑い)」

 ―ほとんど松井愛さんプロデュースなんですね(笑い)。

 萌々「他の芸人さんも応援してくれました。ただ、複雑な思いもどこかにあって。やっぱり相方を待っている身ですからね」

 河野「もちろん、相方への気持ちもそうですし、周りの見方もあって、どう思うんやろな、どう思われるんやろな、というのはちょっと気にしましたね」

 ―相方さんが復活するのが一番望ましい形だとは思いますが、現状はどういうスタンスでやられていらっしゃるのでしょうか?

 河野「ぼくらが辞めてしまうと、両方の相方も戻る場がなくなってしまうので、辞めないために頑張っていかないといけないし、それに1つでも仕事もほしいですから。この世界にいるために、このユニットを結成したという部分はありますね。M-1にも挑戦したいし、舞台などで出番をいただきたいという気持ちもあるので、新たな形で挑戦しようという気持ちです」

 萌々「私も河野さんに近いというか、とりあえず休演はよくないな、と思ったのでピンで走り出したんです。でも、お笑いって楽しいよな、というのを忘れかけてたところもあったんです。何のためにやってんねやろ、と悩むところもあって。そのしんどさがわかる人がなかなかいない中で、同じ状態の人が番組で共演やった(笑い)。今は強く手を握って前に進んでる、進むために一緒に背中を押し合っている感じで、やっと気持ちが元に戻った気がしています」

◆萌々「河野さん、ようやく血のにおいしてきた」◆

 ―コンビを組んで新しい発見はありましたか?

 萌々「私、河野さんをソツのない完璧な芸人さんと思ってたんです。何でもこなすし、上手やし、おもろいし。五角形パキーンみたいな冷酷人間やと思ってたんですけど、こんな人間味がある人とは思わんかった。根底、すごい優しいんです。ようやく最近、血のにおいがしてきた」

 河野「ハハハ、う、うーん?」

 萌々「喜多みなの時だけじゃない河野さんがうまく出てるような気がして。人間味やったり、ヤバさとか、そのへんがいっぱい出てきてて、もちろんド・根性ズのために頑張ってるんですけど、なんかお互いが爛々のため、令和喜多みな実のために頑張ってる感じもしているんです」

 ―河野さんが生き生きしているように見えるということですね?

 萌々「私よりも1人になった期間が長いから、反動なのか、なんか血のにおいします」

 河野「血はわからんけど(笑い)。まあでも、ぼくの中でも男女コンビの経験がないから、今までやったことのないネタができているのは良かったと思います。相方と比較することもないし、今までとパターンが全然違うし。なんやったらボケやツッコミも決まってない状態から、こんな漫才もあるんや、という発見と楽しみはあるかもしれないですね」

 ―なるほど。

 河野「何より漫才ができていることがめちゃくちゃありがたい。芸歴でいっても萌々とは9年離れてて、年齢も11違うんです。そんなに離れてるとは思えないくらい、萌々はぼくをナメてるんです」

 萌々「ハッハーハッ」

 河野「でも、ユニットとはいえ相方なので、気を使われてもうまくいかないし、土足で入って来れるくらいの度胸がある人がなかなかいない中、萌々はそれがいいですね」

 ―ネタはどういう感じで作っていらっしゃるんですか?

 萌々「ほんまに半々。河野さんが作ったやつを私がバーッと広げる時もあれば、私がちょっと言ったのを、河野さんがこれこうしたらええんちゃう?となる場合もあるし。脳みそがまったく違うから倍に面白くなる感じがする。爛々のときは100%私が作ってたけど、2人とも脳みそが似てたから議題が増えるという感じでした。河野さんとはしゃべりながら肉付けされていく感じで、新しくておもしろいですね」

 河野「しゃべって、しゃべってネタにしていく感じですね。そういう今までしたことない経験もあれば、スケジュールが合わないというユニットの難しさも初めて知りました」

 萌々「それ!」

 河野「普通、コンビは同じ仕事をする場合が多いから、おのずと空き時間も重なるじゃないですか。そこでネタ合わせするんですが、2人ともけっこう仕事もあるので全然合わなくて」

 萌々「ヤバイです」

 河野「2日後に新ネタライブあるのに、まだ何にもできてない」

 ―取材してて大丈夫ですか?(笑い)

 河野「ほんま、この時間がな」

 萌々「ぶっちゃけ、ネタ合わせしたい(笑い)」

 ―ほんま、すみません(笑い)。

 萌々「なめてました。ガチでやってるから、余計に首絞めてるんです。でも、あせるのも楽しいんですけど」

 河野「何とかなるか、とか言いながらね」=(2)に続く

 ◇河野良祐(こうの・りょうすけ)1986年(昭61)10月25日生まれ。大阪府堺市出身の37歳。大阪NSC30期生。08年2月、野村尚平とコンビ「プリマ旦那」を結成。2年目で早くもM-1準決勝に進出した。19年5月から現在の「令和喜多みな実」にコンビ名を変更。昨年2月、野村が鬱による体調不良で休養を発表した。

 ◇萌々(もも)1996年(平8)11月28日生まれ。大阪市出身。NSC39期生。NSC時代に大国麗と出会い、17年にコンビ結成。22年、女芸人No.1決定戦「THE W」で決勝進出をはたすなど実力派漫才コンビとして名を上げた。しかし、昨年8月から大国が病気のため休養。現在はピン芸人として活躍している。

この記事のフォト

おすすめテーマ

芸能の2024年08月26日のニュース

特集

芸能のランキング

【楽天】オススメアイテム