【高校サッカー】“下克上蹴児”神戸弘陵が格上プレミアの前橋育英を撃破

2024年01月01日 06:00

サッカー

【第102回全国高校サッカー選手権2回戦神戸弘陵2―0前橋育英（ 2023年12月31日ニッパツ）】神戸弘陵（兵庫）は前橋育英（群馬）に2―0で快勝し、3回戦進出を決めた。前半20分にMF藤本達真（2年）が先制ゴールを挙げると、後半13分にはFW馬場悠平（3年）が2試合連発となる芸術的な右足ループ弾。格上の強豪を突き放した。

　勝負を決めたのは神戸弘陵のエースストライカー、FW馬場だ。1点リードの後半13分、ハイプレスで奪ったボールを敵陣ゴール前20メートルの位置で受けると、鮮やかな右足ループ弾でネットを揺らした。「GKが出ていて、右側が空いていた。あのコースは得意。決める自信があった」。初戦の仙台育英戦に続く2戦連発。先制点をアシストするなど全得点に絡んだ。

　「相手は格上なのでうれしいです」

　前橋育英は高校年代最高峰の舞台、プレミアリーグ・イーストに所属する強豪だ。神戸弘陵は前橋育英よりもカテゴリーが2つ下の関西プリンスリーグ2部に属する。馬場はV候補撃破を素直に喜びつつ、「自分たちの攻撃ができれば、崩せると思っていた」と培ってきた3年間に自信を見せた。TBS系で放映されたドラマ「下剋上球児」ならぬ“下剋上蹴児”の奮闘に期待は膨らむばかりだ。

　次戦はプレミアリーグ・ウエスト所属で、U―17日本代表FW名和田やベルギー1部ゲンク加入が内定しているDF吉永らを擁する神村学園が相手。馬場は「名前のある選手がいるけど、勝てば自分たちの名前が売れる。そのメンタルでやりたい」と力を込めた。
　8強進出となれば、県勢としては16年度の滝川二以来7年ぶり、神戸弘陵としては93年度大会以来30年ぶりだ。その先につながる“アレのアレ”を目指して、次なる関門も突破してみせる。

　◇馬場　悠平（ばば・ゆうへい）2005年（平17）8月16日生まれ、兵庫県三田市出身の18歳。5歳から三田FCでサッカーを始め、狭間中ではエベイユFCに所属。神戸弘陵では1年冬からトップチームで公式戦に出場し、2年春からレギュラー。ポジションはFW。1メートル77、70キロ。利き足は右。

　▽高校年代サッカーのカテゴライズ　全国を東西に分けて実施するプレミアリーグが最高位。その下に全国9地区のプリンスリーグ（1部、2部）、都道府県別リーグがある。年間通じた成績によって昇降格があり、東西プレミアリーグの優勝チームは年間王者を懸けてプレミアリーグ・ファイナルを行う。23年は青森山田が広島ユースに勝利して日本一に輝いた。