東京地検 堀井学議員側を強制捜査 公選法違反容疑 香典提供、領収書保管か

2024年07月19日 05:30

社会

東京地検 堀井学議員側を強制捜査 公選法違反容疑 香典提供、領収書保管か
堀井学衆院議員の地元事務所を家宅捜索し押収物を運び出す係官ら=18日午後5時53分、北海道登別市 Photo By 共同
 自民党の堀井学衆院議員(52)=比例北海道=側が選挙区内の複数の有権者に対し、違法に香典を渡した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は18日、公選法違反容疑で堀井氏の東京都千代田区の議員会館事務所や、北海道登別市の自宅などを家宅捜索した。押収したパソコンなどを解析し、実態解明を進める。
 事務所関係者への取材で、秘書が香典を渡した際に有権者から受領した領収書が事務所に保管されていたとみられることも新たに判明した。違法な寄付を裏付ける証拠となる可能性がある。

 北海道では香典に対して領収書を出す慣習がある。堀井氏側は、2012年の衆院選で北海道9区から出馬し初当選した直後から秘書が香典を持参したとされ、領収書の中にはこの時期のものも含まれるとみられる。

 有権者に対する違法な寄付は公選法などの規定に基づき、時効が3年とされており、特捜部は22年ごろを集中的に捜査しているもようだ。

 家宅捜索を受け、岸田文雄首相は「強い危機感を持って、政治の信頼回復に努めていく」と官邸で記者団に述べた。堀井氏は自民党に離党届を提出し、離党が了承された。堀井氏の事務所は「検察の捜査に全面的に協力する」とコメントした。

 事務所関係者によると、香典の額は1万~数万円で、故人の枕元に飾る枕花を送った疑いもある。事務所関係者が参加するLINE(ライン)のグループチャットで金額を協議していたとみられ、特捜部は裏付けを進めているもようだ。違法性を複数回指摘されても、堀井氏は「慣例としてやってきた。いきなりやめることはできない」とし、提供を続けるよう指示していたという。

 安倍派の裏金事件では、堀井氏は派閥から計2196万円の還流金を受領。政治資金収支報告書の収入に記載せず、政治資金規正法違反容疑の告発状も出されている。特捜部は裏金事件の捜査の過程で、違法性が疑われる資金の流れを把握したとされる。

 堀井氏は、リレハンメル冬季五輪スピードスケート男子500メートルの銅メダリスト。現在4期目。今年6月、裏金事件などの責任を取るとして、次期衆院選に立候補しないと表明したが、議員辞職や離党は否定していた。

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