東京地検 堀井学議員側を強制捜査 公選法違反容疑 香典提供、領収書保管か
2024年07月19日 05:30
社会
北海道では香典に対して領収書を出す慣習がある。堀井氏側は、2012年の衆院選で北海道9区から出馬し初当選した直後から秘書が香典を持参したとされ、領収書の中にはこの時期のものも含まれるとみられる。
有権者に対する違法な寄付は公選法などの規定に基づき、時効が3年とされており、特捜部は22年ごろを集中的に捜査しているもようだ。
家宅捜索を受け、岸田文雄首相は「強い危機感を持って、政治の信頼回復に努めていく」と官邸で記者団に述べた。堀井氏は自民党に離党届を提出し、離党が了承された。堀井氏の事務所は「検察の捜査に全面的に協力する」とコメントした。
事務所関係者によると、香典の額は1万~数万円で、故人の枕元に飾る枕花を送った疑いもある。事務所関係者が参加するLINE(ライン)のグループチャットで金額を協議していたとみられ、特捜部は裏付けを進めているもようだ。違法性を複数回指摘されても、堀井氏は「慣例としてやってきた。いきなりやめることはできない」とし、提供を続けるよう指示していたという。
安倍派の裏金事件では、堀井氏は派閥から計2196万円の還流金を受領。政治資金収支報告書の収入に記載せず、政治資金規正法違反容疑の告発状も出されている。特捜部は裏金事件の捜査の過程で、違法性が疑われる資金の流れを把握したとされる。
堀井氏は、リレハンメル冬季五輪スピードスケート男子500メートルの銅メダリスト。現在4期目。今年6月、裏金事件などの責任を取るとして、次期衆院選に立候補しないと表明したが、議員辞職や離党は否定していた。