意外と怖い 男性ぼうこう炎 防いでスッキリ 水分多めを意識 1日2~2.5リットル

2024年07月19日 05:30

社会

意外と怖い 男性ぼうこう炎 防いでスッキリ 水分多めを意識 1日2~2.5リットル
「ぼうこう炎」予防ポイント Photo By スポニチ
 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、女性だけでなく男性も要注意、「夏場のぼうこう炎」について取り上げます。
 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。さあ、本格的な夏。連日、暑くて、水分ばっかり取ってしまいますね。でも、よく飲んでる割にトイレに行ってない、行っても残尿感がある。こんな方も多いんじゃないですか。今日はそんな「おしっこ」が関係する「ぼうこう炎」のお話です。東京都品川区の目黒西口クリニック院長、南雲久美子先生にうかがいます。南雲先生、まず、ぼうこう炎とはどんな病気ですか?
 「おしっこが出る尿道口から菌が入り、ぼうこうまで達して炎症を起こす病気です。8割は大腸菌が原因と言われています。排尿時に火箸を押しつけられたような痛みが出たり、残尿感があることも。尿はくすんだ色になって、血尿になることもあります」

 ぼうこう炎は女性に多い、というイメージがありますが。
 「女性は男性より尿道が短く、菌が侵入しやすいので、女性の罹患(りかん)率の方が高いです。こういう状況で男性がぼうこう炎になるということは、何かプラスアルファの要因が考えられ、複雑性尿路感染症が疑われます。前立腺肥大、ぼうこう結石、尿路結石、神経因性ぼうこう(原因が分からない排尿障害)、悪性腫瘍などの疾患が隠れている場合があります」

 がんの可能性もあるんですか。ほかに深刻な病気につながることはありますか?
 「ぼうこう炎を放置すると腎盂(じんう)腎炎という、場合によっては命に関わる病気に至ることも。菌がぼうこうから尿管を通って腎臓に到達。40度ぐらいの高熱が出て、入院してすぐに治療が必要になることもあります」

 ぼうこう炎を侮ってはいけませんね。

 夏に多い病気ですか?
 「特に夏場に多いというわけではありません。冬場はトイレの回数が少なくなるので、侵入してきた菌を尿で洗い流す機会が減ります。それだけ感染する確率が上がるので、冬場にも多いです。ただ夏場は汗をかきますから、注意してください。ぼうこう炎の予防のためには、汗で流れ出る分のことも考えて、多めに水分を取ることが必要です。個人差はありますが、1日2~2・5リットルが目安。夏は熱中症ばかりが話題になりますが、水分を取ることは尿をつくるためにも大事。汗をかく夏は、意外にトイレの回数が減るものです。肌の表面から自然と水分が蒸発する“不感蒸せつ”も無視できません。1日900ミリリットルも失われますから」

 水分摂取のほか、どんなことに注意すればいいですか?
 「菌を洗い流すため、トイレは最低でも1日6~7回は行くようにしてください。排尿時に気を付けていただきたいのは尿の色。黄色く濃い場合は尿が濃縮しているということで、十分な水分が取れていないサインです。朝起きて1回目は黄色いことが多いですが、午後になっても黄色い場合は水分が足りていないと考えられます」

 尿道口を清潔にすることは、もちろんですね。
 「ぼうこう炎は下痢の後にかかることがあります。肛門の大腸菌が尿道から侵入するためです。女性は排便後、前から後ろに拭くこと。子供の時、そういわれた方も多いのではないでしょうか。男性も肛門を拭いて、そのトイレットペーパーで尿道口を拭けば大腸菌が侵入する可能性がありますから注意してください」

 糖尿病の方はぼうこう炎になりやすいと聞いたんですが。
 「糖尿病は通常は多尿ですが、同時に汗もかきやすい。夏場はさらに汗をかく。それで、菌を洗い流す尿に回る水分が減ります。また糖尿病では、尿にある種の糖を排出させる薬を処方されている患者さんがいます。そういう薬を飲んでいる方は、尿路感染症のリスクが高くなります」

 夏休みで遠出する方も多いでしょう。でも、おしっこのことでトラブルを抱えていると、なにかモヤモヤして100%楽しめません。ぼうこう炎には十分注意して、夏を満喫しましょう!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

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