バイデン氏 撤退、今週末か 米大統領選民主党大会まであと1カ月 党の重鎮明言「決断に近づいている」

2024年07月20日 04:40

社会

バイデン氏 撤退、今週末か 米大統領選民主党大会まであと1カ月 党の重鎮明言「決断に近づいている」
16日、米ネバダ州ラスベガスで開いたイベントでせきをするバイデン大統領 Photo By AP
 バイデン米大統領(81)が今週末にも、11月の大統領選からの撤退を決断するとの見方が強まっている。米紙ワシントン・ポスト電子版は18日、民主党の重鎮でバイデン氏に強い影響力があるペロシ元下院議長(84)が複数の党議員に「説得に応じて、近く撤退を決断する可能性がある」という趣旨を伝えたと報道。米ニュースサイト、アクシオスによると、党幹部らはバイデン氏が「撤退圧力の高まりを受けて早ければ今週末にも撤退を決断する」とみているとした。
 バイデン氏の高齢不安が顕在化した6月下旬の討論会後、撤退圧力は高まり続けている。民主党のテスター上院議員は18日の声明で撤退を要求。米メディアによると、公然と撤退を求めた民主党の上院議員は2人目で、下院議員を合わせると計約30人に上る。

 さらにワシントン・ポストは、オバマ元大統領(62)が側近たちに「バイデン氏の勝利の道は狭まってきた。選挙戦を続けるかどうか真剣に検討する必要がある」と話したと伝えた。オバマ氏は自らの政権でバイデン氏を副大統領に起用した間柄。今回の選挙戦でも助言役になっており、民主党支持層にカリスマ的人気がある。関係者は、ペロシ氏とオバマ氏の発言は極めて重いとみている。

 バイデン氏の姿勢にも変化が出てきた。CNNによると「カマラ(・ハリス副大統領)では勝てない」と話していたが、「カマラで勝てると思うか?」との発言が増えたという。16日に放送されたインタビューでは「医者から“あなたはこういう病気だ”と言われたら出馬を再検討する」と話した。一方、バイデン陣営は「バイデン氏が民主党の候補だ」と撤退を否定している。

 8月19日にシカゴで開幕する民主党大会まで約1カ月。大会前に候補者を正式指名する計画もあり、リミットは迫っている。バイデン氏は17日に新型コロナウイルス感染が判明し、地元の東部デラウェア州の別荘で自主隔離に入った。再選の見込みがないなどで選挙戦から撤退した米大統領は、これまで6人。コロナから回復しホワイトハウスに戻ってきた時、何を語るのか、世界が注目している。

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