巨大地震注意呼びかけ終了 南海トラフに今後も備えを

2024年08月16日 05:30

社会

巨大地震注意呼びかけ終了 南海トラフに今後も備えを
南海トラフ臨時情報の注意呼びかけ終了に伴う気象庁と内閣府の記者会見=15日午後、気象庁 Photo By 共同
 政府は15日、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う防災上の呼びかけについて、大地震などの異常な現象が観測されなかったとして午後5時に終了した。巨大地震の恐れがなくなったわけではない。松村祥史防災担当相は記者団に「日頃からの備えを引き続き実施してほしい」と述べ、普段通りの生活を送りながら避難経路の確認や非常持ち出し品、食料の備蓄などを続けるよう求めた。
 気象庁と内閣府は記者会見し、8日午後に宮崎県で震度6弱を観測したマグニチュード(M)7・1の地震以降、想定震源域や周辺では震度1以上の地震が6弱を含め24回発生したと明らかにした。13日以降は発生していない。想定震源域で大地震につながる可能性がある特段の変化を示す地震活動や地殻変動は観測されていない。

 一方で、過去の世界的な地震の統計では、大地震が連続して起きる可能性は、最初の地震から時間が過ぎると低下する傾向があるが、1週間以上後に発生した事例もある。また南海トラフ沿いの大地震は平常時でも切迫性が高く、今後いつ発生してもおかしくないとしている。

 南海トラフ地震の評価検討会の平田直会長は「切迫性の高い状態であることを踏まえ、突発的な大規模地震に備え、日ごろからの備えを引き続き行っていただきたい」とのコメントを出した。

 内閣府の担当者は会見で、臨時情報が国民に十分に理解されていたかや、具体的対応の呼びかけで「反省するべきところがあった」と述べた。8日の臨時情報発表時、気象庁の記者会見に内閣府防災部門は同席せず、すぐに避難できる準備をするなど、国民向けの呼びかけをしなかった。

 政府は自治体や事業者の取り組みを含めて検証し、結果を受けて対応指針を見直す方針だ。岸田文雄首相が松村氏に見直しを指示した。

 JR東海は東海道新幹線三島―三河安城間で、JR東日本は東海道線や中央線で減速運転を実施していたが、いずれも15日午後5時で取りやめ、通常運行に戻した。

 臨時情報は8日午後の震度6弱の地震を受けて発表。呼びかけ終了は、政府の基本計画で、注意の措置は地震から168時間後以降の正時で解除すると定めていることに基づく。

おすすめテーマ

2024年08月16日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム