茂木敏充氏 不人気決戦投票に勝機!?自民党総裁選9月頭に出馬表明へ 最多出馬数で接戦必至

2024年08月26日 04:40

社会

茂木敏充氏 不人気決戦投票に勝機!?自民党総裁選9月頭に出馬表明へ 最多出馬数で接戦必至
佐賀市内での会合で講演する自民党の茂木敏充幹事長 Photo By 共同
 自民党の茂木敏充幹事長が25日までに、党総裁選(9月12日告示、27日投開票)に出馬する意向を固めた。“後出しジャンケン”を狙い、9月第1週に表明する方向で調整している。一方、上川陽子外相は出馬に必要な推薦人20人の確保に関して「はるかに超える支持を得た」と明言。出馬が見込まれる議員は8人で、推薦人が必要となった1972年以降では立候補者数が最多となる乱立選挙となりそうだ。
 茂木氏はこの日、佐賀市内での会合で「この国を自信と誇りが持てる国にしていく、その覚悟を持った決断を近々させてもらいたい」と述べた。

 威勢のいい物言いとは裏腹に、厳しい展開が予想される。まずは367票ある議員票。8人以外にも、なお意欲を見せる議員もおり、10人が出馬したと仮定すると、推薦人と候補自身の票を合わせて計210票。残り157票の争奪戦となる。

 政策集団に移行し、約40人を擁する茂木派。しかし、加藤勝信元官房長官が出馬に向けた動きを強めており、派内は一枚岩とは言えない状況。関係が良好な麻生太郎副総裁に期待したが、派内に河野太郎デジタル相を抱え、色よい返事は得られなかったとされる。

 党所属議員の裏金事件で岸田文雄首相が批判の矢面に立たされたことで「幹事長のサボタージュ」批判も付きまとう。無派閥を含め横断的に支持を広げられるかは見通せない。

 乱立の影響で比重が高まるのが、党員・党友票を合わせた地方票。議員票と同じ367票だ。しかし、知名度、人気ともに低調。共同通信社の世論調査(17~19日)では、総裁にふさわしい人を聞いた設問で、茂木氏はわずか1・8%だった。

 しかし、前回「小石河連合」を組んだ小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、河野氏が出馬する方向で、連合票は分散。小林鷹之前経済安全保障担当相の人気は右肩上がり。党関係者は「誰も突き抜けられず、1位候補に大差をつけられない善戦に持ち込みたいところだろう」と話した。

 布石は打ってきた。これまで熱心に党員を獲得。議員別の獲得人数では、2023年までの5年連続でトップ10入り。昨年は4位。党規約上の選挙人資格は22、23年の党費を納めた党員だが、特例で23年に新たに納めた党員にも拡大された。

 さらに「幹事長を3年近く務め、各方面への影響力を強めた」(政府関係者)ことから、一定割合を占める業界・団体票の争奪では有利との見方も。「まとまって動く票田」(党関係者)で、前回の河野氏の地方票獲得割合は「小石河連合」で臨みながら44%だったのに対して、歴史ある宏池会をバックにした首相は29%を占めた。地方票固めに余念なく、裏金事件を受けて全国展開された「政治刷新車座対話」に積極的に足を運んできた。

 ただ決選投票に進んだとしても、小泉氏か小林氏との争いでは刷新感の伴う「選挙の顔」選びとなり、かなりの劣勢だ。投票は議員票が89%を占めるため、党内からは「不人気の石破氏相手でしか勝機はない」との声も出始めている。

 ≪上川氏も出馬へ最後の詰め作業≫自民党総裁選は今週、出馬表明が本格化する。上川氏は25日、20人を超える議員の支持を得ているとし「誰を推薦人にするか、最後の詰めの作業をしている」と記者団に明言。女性初の首相誕生に期待する声が高まっているとして「精いっぱい努力したい」と意気込みを示した。河野氏はきょう26日に記者会見を予定。小泉氏も週内の表明を検討している。高市早苗経済安全保障担当相は意思表示のタイミングを最終調整している。

 ≪08年&12年5人 最多更新が確実 08年石破氏は最下位≫72年以降で候補者が最も多かったのは08年と12年の5人。今回の総裁選への立候補を表明した石破氏と、石原伸晃元幹事長がどちらにも出馬。08年は現東京都知事の小池百合子氏も候補者に名を連ね、麻生太郎氏が2位の与謝野馨氏に300票近い差をつけて圧勝。石破氏は最下位だった。12年は故安倍晋三氏、故町村信孝氏、林芳正氏らも出馬。第1回投票では党員票の過半数を獲得した石破氏がトップに立ったが、決選投票で安倍氏がひっくり返し、07年9月以来の返り咲きを果たした。

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