河野太郎氏 全国民が確定申告 自民党総裁選へ政策発表“将来的に年末調整廃止” 募る国民の不信感
2024年09月06日 04:40
社会
確定申告は納税者が1年間の収入から経費を差し引いて所得を算出し、納税額を計算して国に報告する手続き。必要なのは個人事業主で、勤め先のある人は会社が年末調整を行うことで税務署の負担を減らしてきた経緯がある。
河野氏が首相になれば、これまで確定申告をしなくてよかった人も自分でやることになる。都内の税理士は「税務署がパンクする」と懸念。インターネットでは「手続きが面倒」「確定申告したくないから会社に入ったのに」「支援が必要な人にしかメリットがないのでは」などの不安と不満が渦巻いている。
会見では、河野氏が“デジタル改革”によってスムーズな確定申告が可能になると強調。所得関連データを国の窓口機関で一元管理し、デジタルデータをベースに自動入力。数字を確認して「ポチッとボタンを押していただければ、それで確定申告が終わる」といった仕組みの構築を目指すとした。
ただ、所得関連データの一元管理については批判が集まっている。自民党の信頼失墜の一大要因である派閥裏金事件を巡り、河野氏が所属する麻生派でも疑惑が浮上。有権者からは「国民の所得を丸裸にする前に、自分たちの裏金事件について明らかにしてほしい」との指摘も。国民の不信感は募るばかりだ。
≪原潜配備議論を≫河野氏は会見で自衛隊への原子力潜水艦配備について議論する必要があるとの認識も示した。中国の海洋進出を念頭に「東シナ海から太平洋へ出てこさせないようにするためには通常型の潜水艦でいいのか」と提起。「日本も長時間潜っていられる原子力潜水艦を配備する戦略をとる、こういう議論をしないといけない時代になっている」と語った。これに対し林芳正官房長官は「現行解釈に従えば、我が国が原子力潜水艦を保有することは難しい」と述べた。