パナソニックHD 五輪スポンサー終了 IOC最高位契約更新せず 経営環境踏まえ

2024年09月11日 05:30

社会

パナソニックHD 五輪スポンサー終了 IOC最高位契約更新せず 経営環境踏まえ
パリ五輪のイベント会場に設置されたパナソニックの大型スクリーン=7月、パリ Photo By 共同
 パナソニックホールディングス(HD)は10日、国際オリンピック委員会(IOC)と結ぶ五輪・パラリンピックの最高位スポンサー契約を更新しないと発表した。2024年12月末で契約満了となる。経営環境や業容の変化に応じて支援の在り方を検討する中、今回の判断に至ったとしている。
 IOCの最高位スポンサーは、コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といった世界的な企業が名を連ねる。日本勢はパナソニックHDのほか、トヨタ自動車とブリヂストンが務めるが、トヨタは今夏以降、五輪は終了する一方、パラリンピックは継続する方向で調整している。

 パナソニックHDは旧松下電器産業時代の1987年から五輪のスポンサーを務めてきた。2014年からはパラリンピックも加わった。パナソニックHDの楠見雄規社長は「これまで37年間、協賛活動を通じて多くの価値ある経験を積み重ね、世界中のスポーツファンやアスリートの方々との絆を深めることができた」とのコメントを出した。

 パナソニックHDは大会に放送用カメラや音響システム、業務用プロジェクターなどを提供していた。業務用プロジェクター事業は7月、オリックスに譲渡すると発表。電気自動車(EV)向け電池を重点分野に位置付けるなど、AV機器やテレビ中心の事業構成を見直す中で、五輪との相乗効果が薄れてきたことも背景にあるとみられる。

 IOCのバッハ会長は「パナソニックグループが新しいビジネス戦略に適応させなければならないことを理解し、尊重している」とコメントした。

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