東大 20年ぶり授業料値上げへ 来年度入学から約11万円増

2024年09月11日 05:30

社会

東大 20年ぶり授業料値上げへ 来年度入学から約11万円増
東大の本郷キャンパスの安田講堂 Photo By 共同
 東大は10日、2025年度の学部入学者から年間授業料を2割に当たる約10万7000円引き上げ、64万2960円とする方針を明らかにした。合わせて授業料減免の支援策も拡充する。値上げは05年度以来20年ぶり。一部の学生や教員らは反対していた。国の交付金減少で厳しい財政状況の国立大は多い。首都圏の一部大学は既に実施しており、同様の動きが地方大にも波及するかが焦点。
 藤井輝夫学長は記者会見で「財源の強化など学びの環境の整備を進めてきたが、グローバルな競争が非常に激しさを増している。教育学習環境の改善は待ったなしだ」と理由を説明。28年度末時点で13億5千万円の増収を見込んでおり、施設の改修やバリアフリーの強化に充てるとした。

 東大によると、在学生は対象外。大学院は修士課程で29年度入学者から約10万7000円上げる一方、博士課程は据え置く。学内手続きを経て、9月中には正式決定する予定。

 経済的支援策は、授業料全額免除の対象を現在の「世帯収入400万円以下の学部生」から「同600万円以下の学部と修士課程の学生」に拡大。「同600万円超~900万円以下の学生」についても、状況に応じて一部免除する。

 国立大授業料は文部科学省令で「標準額」が定められており、05年度に1万5000円上がって53万5800円となって以降変わっていない。大学の判断で2割まで増額でき、その後千葉大や一橋大など首都圏の7校が引き上げたものの、東大を含め多くの大学は標準額のままだ。

 04年の国立大法人化で、国が運営費交付金を配分する仕組みが導入された。交付額は財政難などを理由に縮小傾向となっている。

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