石破茂新総裁ってこんな人 鉄道、戦艦、ラーメン…飾らぬオタク 国民人気とは裏腹に党内基盤は脆弱

2024年09月28日 04:40

社会

石破茂新総裁ってこんな人 鉄道、戦艦、ラーメン…飾らぬオタク 国民人気とは裏腹に党内基盤は脆弱
石破茂ってこんな人 Photo By スポニチ
 鉄道を語り出したら止まらない「乗り鉄」。議員会館の自室には自ら手掛けた戦艦などミリタリー系のプラモデルが並ぶ。キャンディーズなら「全曲ソラで歌える」と豪語。ラーメン好きで党有志のラーメン文化振興議員連盟の会長。カレーにも一家言ある料理好き――。あらゆる分野でオタクぶりを発揮する石破氏。そんな飾らぬ素の姿と「ゲル」の愛称で親しまれている。
 ちなみに「ゲル」の名が広まったのは防衛庁長官として初入閣した2002年ごろ。石破姓が珍しく「いしばしげる」がパソコンで「石橋ゲル」と変換されることが多いため愛称になったといわれる。

 だが、国民人気と裏腹に党内での人気はさっぱりだ。人付き合いの悪さは有名だが、自民党関係者からは「理想論が多くてついていけないし、政権が窮地にある時に仲間を正論だけで“悪い”と断罪するなど、背中から鉄砲で撃つような発言が多い。だから友達がいないとやゆされる」と散々な言われようだ。

 党内での不人気ぶりもあって、永田町では「過去にないほど、党内基盤の脆弱(ぜいじゃく)な政権が誕生するかもしれない」と心配する声が広がっている。党内人気が低ければ、頼みの綱は世論の支持となる。そこでネックとなるのが衆参合わせて約80人いる“裏金議員”の処遇。注目は政務三役の大臣・副大臣・政務官と、国会の各委員会の委員長・理事、そして副総裁や幹事長など党役員の人事采配だ。

 ここで、党内融和を優先して裏金議員を押し込む党内力学に屈すると、世論の離反を招きかねない。党内基盤の弱い政権が国民の信頼を失えば、推進力が大きく落ちるのは必至。掲げた政策の実現は遠のき、野党の批判も相まって、さらに世論が離れる負のスパイラルに陥りかねない。

 国民が石破氏に期待したのは、自民党議員でありながら、自民党的でない姿勢。党の刷新を期待されて総裁の座に就いたはずなのに、自民党が以前と変わらないように見えたら、期待は一気にしぼみかねない。石破政権が、機能不全に陥らないことを祈るばかりだ。

 【過去の石破語録】
 ▼「ゴジラがやってきたら普通は災害出動だ。モスラでも同様だ。領空侵犯などの法的認定はなかなか難しい。防衛出動かと言うと、“地球の皆さん仲良くしよう”と言ってきたらそうはいかない。何を言っているかよく分からない場合にどうするか」(2007年12月、防衛相時代にUFO襲来議論に熱弁)

 ▼「日本海側の人間はかつて“裏日本”と言われ悲しい思いをしてきた。時代に逆行する権力のおごりだ」(10年2月、民主党石井一選対委員長の「鳥取県とか島根県と言ったら、日本のチベットみたいなもの」発言に)

 ▼「本当の同時代を生きた私たちの青春そのもの。大事な友達を亡くしたような思い。スターであってスターじゃない。自分たちの友達という感じだった。ありがとう、忘れないよ」(11年4月、元キャンディーズの田中好子さん死去について言及)

 ▼「渡(哲也)さんの全曲集を買うほど大ファンだった。特に後半の西部警察は良かった」(20年9月、総裁選前にスポーツ紙に取材対応。黒縁眼鏡姿が好評だったことを受け、記者持参の眼鏡4種の中からサングラスを選んで)

 ≪鳥取出身初&慶大3人目≫石破氏は初の鳥取県生まれの首相として首班指名を受ける。また、慶大出身者としては3人目。過去に橋本龍太郎氏、小泉純一郎氏がいる。総裁選挑戦は5回目で歴代最多タイ。純一郎氏が事実上5回、安倍晋三元首相は4回出馬している。

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