高市早苗氏 女性首相へあと一歩 故安倍元首相の国葬から2年「いい報告できず申し訳ない」

2024年09月28日 04:40

社会

高市早苗氏 女性首相へあと一歩 故安倍元首相の国葬から2年「いい報告できず申し訳ない」
自民党総裁選後に開かれた両院議員総会で握手する(左から)高市早苗氏、岸田文雄首相、石破茂新総裁(代表撮影)  Photo By 代表撮影
 女性初の「総裁」を目指した高市早苗経済安全保障担当相は1回目の投票でトップに立ったものの、決選投票で石破茂元幹事長に逆転を許し、21票差で敗れた。
 「私自身の力不足です」。記者団に囲まれた高市氏は敗因についてこう述べた。この日は2022年に執り行われた故安倍晋三元首相の国葬儀からちょうど2年。「いい報告ができなかったことを申し訳なく思います」と涙をこらえた。

 安倍路線の継承を掲げて初挑戦した21年の前回総裁選ではその安倍氏の支援を受けて1回目の投票で3位に。議員票では首相となる岸田氏に次ぐ2位と大健闘した。

 安倍氏の死去で後ろ盾を失った今回は、当初20人の推薦人確保にも苦心。選挙戦突入後も靖国参拝明言を巡る対中韓関係悪化の懸念や、推薦人20人中13人が裏金議員だったことなど不安要素はあったが、選挙戦中盤から支持を拡大。終盤には麻生氏の支持も取り付け、1回目の投票で石破氏に27票差の堂々1位に。前評判では石破氏優位だった党員票でも石破氏を上回り、会場からどよめきが起こった。

 高市氏は党内きっての保守派の論客。日本の伝統的価値観を重んじ、選択的夫婦別姓制度の導入にも慎重な立場を取る。12年には女性初の党政調会長に就任。14年にはやはり女性初の総務相となり、在任期間1438日は歴代最長。党の支持基盤である岩盤保守層に押し上げられる形で初の女性首相誕生へ肉薄した。女性首相の最有力候補といえば野田聖子元総務相が筆頭格だったが、高市氏がそれに代わる存在となったことは間違いない。

 3年後の再々挑戦については「今、考えられる状況ではありません」というにとどめたが、今回の総裁選で大いに存在感を高めた。

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