宮崎空港で不発弾が爆発 誘導路1メートル陥没 87便が欠航 夜に滑走路の運用再開

2024年10月03日 04:45

社会

宮崎空港で不発弾が爆発 誘導路1メートル陥没 87便が欠航 夜に滑走路の運用再開
宮崎空港の誘導路で起きた不発弾の爆発をとらえた定点カメラの映像。爆発が起きる約2分前に航空機が誘導路を通過する様子が映っている(航空大学校提供) Photo By 提供写真
 宮崎市の宮崎空港で2日午前8時前、駐機場と滑走路を結ぶ誘導路で爆発音があり、大きく陥没した。長径約7メートル、短径約4メートルのだ円形で深さは約1メートル。陸上自衛隊・目達原駐屯地(佐賀県)に所属する不発弾処理隊の調査で、重さ500ポンドの米国製不発弾が爆発したことが分かった。
 宮崎空港では滑走路を閉鎖し、終日、便の発着を見合わせるなどしたが、爆発前の誘導路を宮崎発の4便が使用。航空大学校提供の映像には航空機が誘導路を通過した約2分後に爆発で激しく土煙が上がる様子が映っていた。爆発によるケガ人はいない。閉鎖により87便が欠航した。

 宮崎空港は1943年に旧日本海軍の赤江飛行場として開場。太平洋戦争末期には機体ごと体当たり攻撃する神風特攻隊の出撃基地であったこともあり、米軍の標的となった。周辺では2009年に1件、11年に2件、21年に1件と米国製不発弾が発見されているが爆発はなかった。戦前の不発弾が80年以上たって爆発するケースはまれ。軍事フォトジャーナリスト柿谷哲也氏は「火薬の劣化は緩やかで何十年過ぎてもかなりの威力がある」と危険性を強調した。

 宮崎空港事務所は2日夜までに誘導路の復旧を終え、滑走路の運用を再開。3日以降の運航は航空各社の判断に委ねる。

 ≪80年前後が経過 爆発極めて異例≫
 太平洋戦争中の米国製不発弾が投下から80年前後が経過した今、爆発するケースは珍しい。宮崎空港周辺で発見された最近4例でも爆発はなかった。

 軍事フォトジャーナリストの柿谷哲也氏は「何かの衝撃が加わって爆発したのでしょうが、原因が何か、現段階では意外すぎて驚いています」と話す。旧日本海軍の飛行場を利用している空港は宮崎のほか、羽田、伊丹、名古屋、那覇など数多い。「火薬の劣化は緩やかで、何十年過ぎてもかなりの威力がある」とその危険性を強調した。航空会社の機長は今回の爆発について「離陸前の航空機は燃料を多く積んでいる。引火していれば大惨事になっていたかもしれない」と指摘した。

この記事のフォト

おすすめテーマ

社会の2024年10月03日のニュース

特集

社会のランキング

【楽天】オススメアイテム