角川前会長「私は無実」 長期勾留「理不尽」と強調 五輪汚職事件で東京地裁初公判

2024年10月09日 05:30

社会

角川前会長「私は無実」 長期勾留「理不尽」と強調 五輪汚職事件で東京地裁初公判
東京地裁に向かうKADOKAWAの前会長角川歴彦被告 Photo By 共同
 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事側への贈賄罪に問われた出版大手KADOKAWAの前会長角川歴彦被告(81)は8日、東京地裁の初公判で「私は無実です」と無罪を主張した。理由も聞かされないまま逮捕され、長期勾留を強いられたとも強調。「理不尽で冷酷」と訴えた。
 検察側は冒頭陳述で、被告が東京大会のガイドブックの制作・販売などのビジネスにつなげようと、組織委元理事高橋治之被告(80)=受託収賄罪で公判中=に大会スポンサー選定の力添えを依頼しようと考えたと指摘。元専務ら2人=いずれも贈賄罪で有罪確定=から、スポンサー契約成立後に高橋被告の電通時代の後輩深見和政被告(75)が経営する「コモンズ2」に業務委託費名目で報酬を支払うことを相談され、了承したと説明した。

 弁護側は角川被告には決裁権限がなく、スポンサー契約に関する情報は共有されなかったとして、「検察の誤った見立てで起訴された」と反論した。

 起訴状によると、元専務ら2人と共謀し、スポンサー選定などに関して有利な取り計らいを受けられるよう高橋被告に依頼(請託)し、謝礼として2019年9月~21年1月、9回にわたって計約6900万円を高橋被告側に提供したとされる。

 事件を巡っては東京地検特捜部が、全5ルートの計15人を立件した。

 角川被告は22年9月に逮捕され、23年4月に保釈。今年6月には、否認した場合に身柄拘束が長引く「人質司法」で精神的、肉体的苦痛を受けたとして、国に2億2千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

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