勾留中の「つばさの党」代表、国を提訴 保釈認めないのは「人権侵害」 Xで告発「家族とも会えない」

2024年11月08日 10:39

社会

勾留中の「つばさの党」代表、国を提訴 保釈認めないのは「人権侵害」 Xで告発「家族とも会えない」
黒川敦彦氏(@democracymonst)から
 4月の衆院東京15区補欠選挙での選挙活動妨害事件で、公選法違反罪で起訴された政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦被告(46)ら2人が6日、保釈を認めず不当な長期勾留を続けるのは「人質司法」で憲法違反だとして、国に計2200万円の賠償を求め、東京地裁に提訴した。8日までに自身のX(旧ツイッター)やYouTubeを通じて伝えた。
 2人は4月の補選で、当選した立憲民主党の酒井菜摘氏陣営などの選挙カーを追尾したなどとして起訴された。

 他に提訴したのは、補選で落選した幹事長の根本良輔被告(30)。2人は5月17日以降、計3回逮捕された。弁護側は7月と10月に保釈請求したが、裁判所は罪証隠滅の恐れなどを理由に却下し、不服申し立ても退けた。2人は勾留中で、今月20日の初公判で起訴内容を否認する方針。

 訴状では、罪証隠滅や逃亡の恐れがある場合に勾留し、保釈を認めない刑事訴訟法の各規定は、推定無罪の原則などに反し「違憲で無効」と主張。抽象的な事情で判断する裁判所の運用も違憲だとしている。

 黒川代表は6日、自身のXで「今回私たちが行った行為は、これまでの選挙の現場においても無数に行われてきた行為です。それに対して無理すじの逮捕を実行したと考えています。そして、私、黒川敦彦らをその後の選挙に立候補させないために、政治活動をさせないために、長期にわたる勾留が今も継続されています。これは、憲法で保障される表現の自由、政治活動の自由や、身体拘束に伴う私の人権を著しく侵害する行為です」と主張し「このような恣意的な身体拘束が今後も起きることがないよう、国賠訴訟を提起することとしました」と宣言した。

 また「日本の司法の非人道性を示す事件として、袴田事件にみなさんも今一度目を向けていただきたいです」と袴田事件に言及。「袴田事件は、たまたま起こったレアケースということではなく、不当な逮捕や勾留が日常的に行われています」とした。

 また自民の裏金問題にも触れ「あれだけ世間を揺るがした自民党の裏金問題で逮捕された人はたった1人。しかもすぐに保釈され、他はみな在宅起訴でした。一方、私たちはすでに6か月も勾留されていますが、どういうケースで逮捕、勾留され、勾留が何のために、どのくらいの期間行われるのか、極めて恣意的です」と吐露。

 「袴田氏が受けた苦痛に比べれば、我々の苦痛は微々たるものではありますが、今回の勾留という非人道的な行為によって被っている不当なる損失をぜひ皆さんにわかっていただきたいです」と呼びかけ、「蛇足にはなりますが、私黒川は、妻との接見禁止もいまだ解除されていません。長期にわたり家族とも会えない状況が続いています」とも。「今回の国賠訴訟は、憲法21条に明記される表現の自由、政治活動の自由が、その憲法の主旨のとおりに守られる世の中になるため、恣意的で不当な身体拘束が二度となされないようにするための一助になればと思い、提起するものです」とした。

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