北島康介氏、五輪金より印象深い中学時代の大会…ライバルと明暗分けた「強靭なメンタル」とは

2019年07月14日 21:37

水泳

北島康介氏、五輪金より印象深い中学時代の大会…ライバルと明暗分けた「強靭なメンタル」とは
競泳元代表の北島康介氏 Photo By スポニチ
 日本で唯一、五輪2大会連続2冠を果たした競泳の北島康介氏(36)が、14日放送のTBSのドキュメントバラエティー「消えた天才」(日曜後6・30)に出演。競泳界のレジェンドが、引退会見の際に「一番印象に残っているレース」として「全国中学で初めてライバルに勝てた試合」と語ったほど印象深い、学生時代のライバルの存在を明かした。
 北島氏はライバルと中学生時代に7度対戦するが、圧倒的な差をつけられて敗戦。全国で勝利するまで一度も勝てず、レジェンドに「絶対コイツに勝てない」と言わしめた天才の名は、関慎介さん。ルックスも抜群で、小学生の時点でファンクラブがあったほどだと振り返る。

 当時指導していたコーチも「小学時代からスーパースターでしたね。北島選手のことは相手にしていなかった。金メダルを獲れる逸材でした」と絶賛するほどの才能の持ち主だったが、関さんはも高校途中から大会で優勝するはなく、日本代表に選ばれることもなかった。北島氏が「完敗」と認めるほどの実力を持ちながら、表舞台から姿を消した理由を関さんは「北島氏に負けたこと」が原因である明かした。

 当時無敵を誇っていた関さんは中学3年時の全国大会決勝で、それまで全勝していた北島氏にまさかの敗戦を喫した。それから関さんは、練習を途中で切り上げたりと競技への意欲を失ってしまったという。その理由を「敗北への恐怖心」にあったとし、北島氏との差が開いた原因がメンタルの弱さにあったと振り返る。

 「順調にいけば、オリンピックの舞台には間違いなくいける」と6度の全国優勝を飾った関さんは「同級生に負けることは考えていなかった。北島は格下と思っていたところもあったと思います」と自信満々だった。だが、全国の舞台でその“格下”に敗戦。「惨めでした。人生終わったぐらいの全て終わったぐらいに思ってました。北島に負けるなんて考えたこともなかった」と当時の心境を告白。

 この想定外の敗戦で「また北島に負けるのでは…と怖くなってしまった。あんなに負けるのは嫌」というネガティブな気持ちに陥り「真剣に泳いで負けるなら、真剣に泳がないで負けた方がダメージが少ない」と、たった一度の敗戦で泳ぐことから逃げてしまったことを明かした。

 「心がもの凄く弱かった。1回負けただけで嫌だと思ってしまうくらい心が弱すぎた」と自分の心の弱さを指摘。一方の北島氏は「泳ぐ前に気持ちで負けを感じたら、そいつには一生勝てない」と中学時代の文集に残すほど、気持ちを強く持ち続けた。

 負け続けても強靭な精神力を持ち続けてライバルの壁を越え、世界の頂点まで昇りつめた北島氏について、関さんは「僕からしたら計り知れないメンタル」と脱帽。水泳をやめてしまったことについては「後悔はしてます。あそこで何でもう一回勝負にでなかったんだとか、何で逃げたのか…いまだに後悔しています」と打ち明けた。

 「でも、あの時の負けがあるから、今、幸せにやれている」と続け「北島くんに負けて、鼻をきれいに折ってもらって、人の気持ちを考えられるようになって。謙虚に生きていかなきゃいけないってところにつながっているんではないかと思います」とこの一戦に感謝。関さんは現在、測量事務所の社長を務め、妻と2人の息子と幸せな日々を過ごしている。

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