64年東京五輪体操で銅、小野清子さん死去 85歳 女性初の国家公安委員長など歴任

2021年03月19日 05:30

体操

64年東京五輪体操で銅、小野清子さん死去 85歳 女性初の国家公安委員長など歴任
小野清子さん Photo By スポニチ
 1964年東京五輪の体操女子団体総合銅メダリストで、参院議員として国家公安委員長などを務めた小野清子(おの・きよこ)さんが13日、死去した。85歳。秋田市出身。1月に自宅で骨折し、治療で入院中に新型コロナウイルスに感染し、治療を受けたが容体が急変した。葬儀、告別式は近親者のみで営んだ。喪主は夫喬(たかし)さん。お別れの会は予定していない。
 体操ニッポン女子で唯一のメダルを獲得し、女性アスリートの活躍の場を広げた小野さんが、2度目の東京五輪を前に旅立った。議員時代に所属した自民党が18日に死去を発表した。一時はコロナの症状も回復していたという。

 出身地の秋田県は体操が盛んで秋田北高から本格的に競技を始めた。体操男子五輪金メダリストの小野喬さんと夫婦そろって60年ローマ、64年東京両五輪に出場した。61年に長女、63年に長男を出産。2児を育てながらの練習では、跳び箱の最上段を逆さにしてゆりかご代わりにした。東京五輪ではともに日本のママさん選手の先駆けとなった池田敬子さん(87)らと団体銅メダルを手にした。

 現役引退後は、女性アスリートの社会進出を先導。65年に喬さんとともに民間スポーツクラブの草分けとなる「池上スポーツ普及クラブ」を設立し、地域スポーツの振興に携わった。3男2女を育てた「肝っ玉母さん」として知られた一方、社交的な性格でNHK体操番組などに出演。末っ子に手が掛からないタイミングで、86年の参院選に自民党から立候補し初当選、計3期務めた。

 2003年の小泉純一郎内閣で閣僚入り。女性で初となる国家公安委員長に就任し「男性と違う切り口で」と奮闘した。サッカーくじ(toto)の導入にも尽力。いずれも女性初となった参院予算委員長、日本オリンピック委員会(JOC)副会長を務め、政界を退いてからは日本スポーツ振興センター(JSC)理事長などを歴任。日本音楽著作権協会(JASRAC)理事長にも就任するなど、スポーツ・文教の要職で活躍した。13年に東京五輪・パラリンピックの招致が決まってからは、開催を心待ちにしていた。関係者によると、昨年も周囲に「東京大会で日本人選手が活躍するのを楽しみにしている」と話していたという。

 ◆小野 清子(おの・きよこ)1936年(昭11)2月4日生まれ、秋田市出身。14歳から体操を始め、東京教育大体育学科卒。夫小野喬氏とは同郷同窓。政界では環境政務次官、参院予算委員長などを務めた。08年に旭日大綬章。16年にIOCから五輪運動の発展に寄与したことを称える五輪オーダー(功労章)が授与された。

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