予選戦わず代表になった倉吉東 15人だけの花園…最後まで全力プレーも涙
2022年12月28日 06:00
ラグビー
「鳥取県にはラグビー部のある中学がない。綱渡りだったが、最後まで気持ちが切れなかったし、火は消えなかった。選手は立派だった」
岩野竜二監督(49)は選手たちを称えた。部員19人のうち、体調不良で4人が欠場した。本職はフランカーの湯浅がプロップで、WTBの川本がNo・8で先発。演劇部と兼部する1年生のWTB田巻もスタメンとして出場した。苦しい台所事情を強いられ、交代選手もいない中で死力を尽くした。
県予選には3校がエントリー。だが、1回戦で対戦する予定だった2校はともに人員不足で試合が成立せず、この時点で全国大会出場が決まった。競技人口の減少などによって試合経験は不足していたが、大会前には石見智翠館や高松北などと練習試合を実施。できる限りの強化を図ってきた。
1年生も積極的に勧誘したことで部員19人がそろい、花園の地を踏んだ。中学時代はサッカーで県選抜のGKだったSO坂根主将は、全国の舞台に立ちたくて高校からラグビーを始めた。たどり着いた夢舞台。結果は悔しくても「人数が少ない中でチームメートと親密になれた。いいラグビーができた」と胸を張った。
今大会を終えて3年生6人が抜け、新チームは部員の勧誘からスタートしなければならない。厳しい船出となるが、聖地での経験を今後に生かしていく。
▽深刻な競技人口減 山形と福井、島根の県予選エントリーは2校。島根の一つは3校による合同チームだった。鳥取、香川、高知、佐賀のエントリーは3校。少子化の影響で部員15人を確保できない学校は全国的に見ても少なくない。22年度の全国予選出場校数は計578チーム。10年前の12年度が801チーム、20年前の02年度が929チームだったことを考えれば、深刻な落ち込み具合といえる。
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