【玉ノ井親方 視点】分かっていても食らってしまう“翠富士スペシャル”の切れ味

2023年03月17日 19:55

相撲

【玉ノ井親方 視点】分かっていても食らってしまう“翠富士スペシャル”の切れ味
<大相撲春場所6日目>肩すかしで遠藤(右)を下し、全勝を守った翠富士(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所6日目   ○翠富士(肩すかし)遠藤● ( エディオンアリーナ大阪 )】 相撲巧者の遠藤が、ものの見事に術中にはまった。
 翠富士スペシャルの肩すかし。やってくるのが分かっていても、あっさり食らってしまう切れ味の鋭さだった。

 右四つの翠富士にとって、左四つの遠藤はケンカ四つの相手。先にどちらが有利な差し手になるか注目されたが、スピードのある翠富士が先手を取った。すぐに右をねじ込み差し勝つと、左で相手の右はずを押しながら右で遠藤の左肩を引っ張るように引き倒した。

 これで初日から6連勝。この日は同部屋で同い年の錦富士が碧山に敗れ、全勝は大栄翔と高安の3人だけとなった。

 1メートル71、117キロのサイズは幕内最小兵だが、体格のハンデを動きの速さで補っている。警戒している相手でも、得意技の肩すかしをあっさり決めることができるはそれだけ相撲勘が良い証拠だ。最近は番付も幕内の上位で安定し、着実に地力をつけている印象だ。

 ただ、いくら切れが良いと言っても肩すかしは引き技。そればかりに頼りすぎると墓穴を掘る。あす7日目は高安との全勝対決。馬力のある元大関を押し切るくらいの気持ちで攻めながら前に出ていかないと、勝機は簡単にはつかめないだろう。(元大関・栃東)

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