過酷な練習で死亡したレスリング選手の遺族に18億円の和解金 米カンバーランズ大が法廷闘争を回避

2023年03月17日 13:05

スポーツ社会

過酷な練習で死亡したレスリング選手の遺族に18億円の和解金 米カンバーランズ大が法廷闘争を回避
20年8月に死亡したカンバーランズ大のグラント・ブレイスさん(AP) Photo By AP
 米ケンタッキー州ウィリアムズバーグにキャンパスを置くカンバーランズ大が、2020年8月31日に死亡したレスリングの選手、グラント・ブレイスさん(当時20歳)の遺族に対して1400万ドル(約18億6000万円)の和解金を支払うことで合意した。AP通信が16日に報じているもので、大学側は「法的に弁明できる事柄だが、そうなると長期に及び費用もかさんでくる。ここは多大な喪失感を抱えているご遺族の意向を尊重すべきだと判断した」という声明を発表。法廷闘争には持ち込まずに和解に至った。
 ブレイスさんはレスリングチームによる「熱中症予防訓練プログラム」に参加。練習後に猛暑の中で坂道ダッシュを何度も繰り返したが、途中で体調に異変を訴えた。コーチ陣に「もうこれ以上は無理です。水を飲ませてください」と訴えたが却下され、屋外の噴水の水を飲もうとしたがうまくいかなかった。その後、建物内に向かおうとした際に倒れ、その45分後に死亡しているところをコーチ陣が発見。心臓発作を引き起こしていたとされている。

 カンバーランズ大はスポーツの盛んな私立大学で、レスリングも強豪チーム。ブレイスさんは睡眠障害とADHD(注意欠如・多動症)を抱えており、アデロールという薬を常用していたことが報告されている。

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