幕内・逸ノ城が引退 優勝1回、現役最多の金星9個 日本相撲協会が発表

2023年05月04日 10:59

相撲

幕内・逸ノ城が引退 優勝1回、現役最多の金星9個 日本相撲協会が発表
逸ノ城 Photo By スポニチ
 日本相撲協会は4日、モンゴル出身で西前頭13枚目の逸ノ城(30)=本名・三浦駿、湊部屋=が引退届を提出したと発表した。14年初場所に幕下15枚目格付け出しで初土俵。昨年名古屋場所では初優勝を果たしたが、慢性的に悩まされていた持病の腰痛が悪化したため引退を決断した模様。通算408勝。優勝1回。最高位は関脇。2021年9月に日本国籍を取得しているが、年寄名跡を取得していないため日本相撲協会には残らないという。
 モンゴル・アルハンガイ県出身の逸ノ城は生でまれたときの体重は5000グラムと周囲が驚くほどの大きさだった。首都ウランバートルから約400キロ離れた場所で遊牧民として育ち中学校ではモンゴル相撲を始めた。鳥取城北高に相撲留学し、卒業後の14年1月、初場所で幕下15枚目格付け出しでデビューした。所要2場所で新十両に昇進し同年夏場所で新十両優勝。十両は2場所で通過し、新入幕の同年秋場所では横綱・鶴竜を破るなど13勝をマークし「逸ノ城」旋風を起こした。220キロ前後の大きな体を利した右四つの形は横綱、大関陣でも手を焼く強さを誇ったが、その代償として腰への負担が重なり、腰痛に悩まされていた。

 昨年名古屋場所では初優勝を果たしたが、秋場所後に師匠・湊親方(元前頭湊富士)夫人への暴力疑惑が報じられ、師匠との確執なども問題視された。相撲協会の聞き取り調査では、新たに新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反が発覚。1場所の出場停止処分を受けたが、師匠夫人への暴行に関しては夫人に処分感情がないことなどから不問とされた。今年1月の初場所は全休し十両に陥落。3月の春場所で14勝1敗の成績を収め十両優勝。14日に初日を迎える夏場所(東京・両国国技館)では、西前頭13枚目に番付を戻していた。

 ◇逸ノ城駿(いちのじょう・たかし=本名・三浦駿)1993年4月7日、モンゴル・アルハンガイ県生まれ。2010年に横綱・照ノ富士らと同じ飛行機で来日し、鳥取城北高に相撲留学。卒業後は同高コーチなどを務めながら全日本実業団選手権を制覇し、湊部屋に入門。14年初場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵。同年秋場所には所要4場所での新入幕を果たし13勝。翌場所関脇に昇進。所要5場所での新三役は歴代1位のスピード記録だった。大関候補と言われながらも腰痛などに悩まされ上位に定着できなかった。22年名古屋場所で幕内優勝。三賞は殊勲3、敢闘1。金星は現役最多の9。通算408勝328敗58休。得意は右四つ、寄り。1メートル92、211キロ。

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