【玉ノ井親方 視点】琴ノ若との興味深い成長株対戦 立ち合いから工夫していた若元春 

2023年05月17日 19:25

相撲

【玉ノ井親方 視点】琴ノ若との興味深い成長株対戦 立ち合いから工夫していた若元春 
<夏場所4日目>琴ノ若(左)を攻める若元春(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【大相撲夏場所4日目   ○若元春(押し出し)琴ノ若● ( 2023年5月17日    両国国技館 )】 早くも4日目に興味深い対戦が組まれた。このところ急速に力をつけている2人による注目の一番は若元春の快勝だった。
 立ち合いから若元春は工夫していた。いつもは左からおっつけるような形で左差しを狙うことが多い。ただ、突っ張りもできるし、かち上げながら当たることもできる。だが、この日は胸から当たった。相手からすると、意表を突かれた感じになり、面食らったのではないか。

 左を差すのも速かった。琴ノ若の脇が空いたところで間髪を入れず左をねじ込んだ。右は1枚まわしだったが、かまわずぐいぐい前に出たのも良かった。あの場面でひと呼吸入れると、琴ノ若の重みを感じて勢いがそがれる。休まず前に出たことで相手に反撃の隙を与えなかった。

 初場所で小結に上がってから9勝、11勝と安定した成績を残している。立ち合いでしっかり当たって、相手に圧力をかけることができているので簡単に押されなくなった。当たりが強くなり、左四つの自分の形になるのも速くなった。

 今場所は弟の若隆景がケガで休場していることもあり、弟の分までという気持ちもあるのだろう。このまま序盤で勢いをつけることができれば、楽しみな場所になる。
  (元大関・栃東)
 

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