小田凱人 涙の最年少V!17歳33日 車いすの部の男子単 再び日本人が世界ランク1位に

2023年06月11日 05:30

テニス

小田凱人 涙の最年少V!17歳33日 車いすの部の男子単 再び日本人が世界ランク1位に
四大大会史上最年少制覇を果たした17歳の小田凱人(AP) Photo By AP
 【テニス全仏オープン第14日 ( 2023年6月10日    パリ・ローランギャロス )】 車いすの部の男子シングルス決勝で、第2シードの小田凱人(17=東海理化)が第1シードのアルフィー・ヒューエット(25=英国)に6―1、6―4で快勝して初優勝を果たした。17歳33日での優勝はこの種目の4大大会最年少記録。史上最年少で世界ランキング1位に就くことも確定した。女子は第2シードの上地結衣(29=三井住友銀行)が第1シードのディーデ・デフロート(26=オランダ)に敗れた。
 快挙を達成すると、小田はラケットを放り投げて両手を突き上げた。直後に手で顔を覆い「一気にはじけて、いろんなものが込み上げてきた」と涙。1月に世界ランキング1位のまま引退した国枝慎吾氏(39)がラケットを置いてからわずか半年。再び日本人が世界一の座に就いた。

 これまでの4大大会最年少優勝は、17年全仏オープンを19歳186日で制したヒューエット。小田は過去1勝6敗、3連敗中だった宿敵を大一番で破った。第1セットは第4ゲームで先にブレークし、わずか26分で先取。第2セットはリードを追いつかれて4―4となったが、第9ゲームでブレークして押し切った。

 前哨戦の出場を回避して今大会に集中した。滑りやすく独特な技術が必要な赤土に対応するため、溝の深いタイヤに変えてチェアワークを強化。渡欧前には前回王者の国枝氏に頼み、一緒に練習した。現役時代は4戦全敗。ゲーム形式の結果は明かさなかったが「めちゃめちゃ強かった」と改めてその偉大さを実感した。ヒューエット対策に悩む中で「そんなに考えすぎなくていいんじゃない?」と助言を受け、強打が武器の自身のスタイルを貫くことを決断。勝利につなげた。

 会場は自身の名前の由来となった凱旋門があるパリ。来年に同じ会場で実施されるパリ・パラリンピックにも弾みをつけ「これから僕が(車いすテニスを)もっともっと盛り上げて、さらに大きいスポーツにしていく」と宣言した。目標は国枝氏の4大大会通算50勝(シングルス28勝、ダブルス22勝)。17歳のレフティーが憧れの存在に一歩、近づいた。

 《小田凱人=ときと=アラカルト》

 ☆生まれ 2006年(平18)5月8日生まれ、愛知県一宮市出身の17歳。左利き。身長1メートル75。

 ☆競技開始 9歳で骨肉腫を発症。左足が不自由になり、大好きなサッカーを諦めた。入院中に主治医からさまざまなパラスポーツを紹介され、動画サイトで調査。12年ロンドン・パラリンピックで国枝氏が金メダルに輝く映像に魅了され、テニスを選択した。

 ☆主な実績 00年に18歳以下の世界一決定戦に14歳で出場してシングルスとダブルスの2冠。21年4月26日付のジュニア世界ランキングで史上最年少で1位となった。22年4月に車いすテニス国内最年少の15歳11カ月20日でプロ転向。同6月の全仏で4大大会デビューして4強入り。今年1月の全豪は準優勝。

 ☆ビッグボス プロ野球・日本ハムの新庄剛志監督を尊敬する。派手なパフォーマンスやトーク力に魅力を感じ、自身も魅せるプレーを心掛ける。

 ☆英語 TikTokを駆使して独学で英語をマスター。決勝後の会見でも海外メディアに流ちょうな英語で対応した。

 ◆全仏オープンテニスはWOWOWで全日生放送。日本人選手の試合はWOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信

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