“癒やし系”蛭田が涙の初V PO1H目「奇跡」ラフから3打目1メートルピタリ

2023年08月21日 04:33

ゴルフ

“癒やし系”蛭田が涙の初V PO1H目「奇跡」ラフから3打目1メートルピタリ
プレーオフを制し初優勝を決めインタビューで感極まる蛭田みな美(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアーCATレディース最終日 ( 2023年8月20日    神奈川 大箱根CC=6638ヤード、パー72 )】 プロ8年目の蛭田みな美(26=ユアサ商事)が通算13アンダーで並んだ西郷真央(21=島津製作所)とのプレーオフ(PO)を制し、涙のツアー初優勝を飾った。正規の18ホールは5バーディー、2ボギーの69で回り通算13アンダーは昨年覇者の岩井千怜に並ぶ大会コース記録。最終18番では決めれば優勝のパットを2度外しながらPO1ホール目に奇跡のバーディーを奪い、激戦を制した。
 深いラフからの3打目がピン横1メートルに寄った。蛭田は「奇跡です」と笑う。POの1ホール目。2打目もラフを渡り歩きながら腹をくくった1打はピンへ一直線。正規の18番で外した50センチと同じラインが残った。「今度はしっかり打てました」。その瞬間、初優勝を手中にした。

 2年前にはイップスだったパット。正規の18番では決めれば優勝のパットを2度も外し天を仰いだ。「平常心で打てなかった」。救われたのは8年前に獣医師を引退し、キャディーを務める父・宏さんの一声。「まだ大丈夫、やり直しだよ」。POを制し、父へ感謝の思いを口にする時、涙があふれ出た。

 アマ時代から注目されながら結果が出ず「勝てずに終わっちゃうのかなって思った時期もあった。長かった」。昨年12月、サッカーJ2いわきFCのトレーナー、穂苅敦氏と契約し、瞬発系の筋肉を鍛え始めるとゴルフが変わった。飛距離は15ヤード伸び、正確性も増した。パットもスロー解析の結果、インパクトの不安定さが露呈。時間をかけて克服し、今がある。

 ほんわかした笑顔が代名詞。「表情筋が緩めば全身が緩むと訳の分からない理論でやってます」。黄金世代の1つ上で下からの突き上げも激しい世代だが「複数回優勝したい。見ていて癒やされるプロになりたい」。癒やし系の26歳は最後もやっぱり笑顔だった。

 【蛭田 みな美(ひるた・みなみ)】☆生まれ 1997年(平9)7月15日生まれ、福島県鮫川村出身の26歳。家族は両親と姉、兄。1メートル64、57キロ。

 ☆アマ戦績 3歳でゴルフを始め、学法石川高に進学。14年世界ジュニア選手権で個人3位、永井花奈と組んだ団体戦で優勝、日本女子アマ選手権で優勝。

 ☆田舎暮らし 実家では牛を飼い、裏には草原が広がる。魚を手づかみで捕まえたことも。現在のペットは猫のくーにゃん。

 ☆東北魂 甲子園でも「仙台育英勝たないかなぁ」と東北びいき。今回の優勝で「東北にフォーカスしてくれる人が増えれば」。

 ☆重機 優勝賞品としてCAT(R)ミニ油圧ショベル303SRをゲット。「ホームコースに寄贈するかも」。 

 ≪西郷6勝目ならず 初優勝蛭田に拍手≫西郷はプレーオフ1ホール目でバーディーパットを外し、通算6勝目を逃した。「勝負を懸けたパッティングだった。ティーショットもセカンドも思うように打てた。優勝した蛭田選手がそれより上だった」と振り返った。それでも前週の全英女子オープンなど海外メジャー4戦を経験して臨んだ今週はショット、パットとも安定感を見せ、首位を快走。昨季終盤の不調から完全復活を印象づけた。


 ▼3位・桑木志帆 後半2個目のバーディーを取ってから緊張してきました。リーダーボードを見たのが間違いでした(笑い)。(67と伸ばし、単独3位に浮上)

 ▼18位・勝みなみ 楽しかったです。情報交換もできましたし。(米ツアーで)シード権やアジアシリーズにも出たいので(年間ポイントランク)60位以内を目指して頑張りたい。(約5カ月ぶりの国内ツアー参戦)

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