【世界陸上】110m障害の泉谷駿介は5位入賞 日本初の決勝で力走、メダル届かずも感動届けた

2023年08月22日 04:42

陸上

【世界陸上】110m障害の泉谷駿介は5位入賞 日本初の決勝で力走、メダル届かずも感動届けた
男子110メートル障害決勝で懸命の走りを見せるも5位の泉谷(左)。右は優勝したホロウェイ(AP) Photo By AP
 【陸上・世界選手権第3日 ( 2023年8月21日    ハンガリー・ブダペスト )】 男子110メートル障害の泉谷駿介(23=住友電工)が、日本人として初めて決勝の舞台に立ち、13秒19で5位入賞を果たした。準決勝でも1組を1位で通過(13秒16)。メダルには届かなかったが、世界レベルの実力をアピールした。優勝は米国のホロウェイ。世界陸上3連覇となった。
 インタビューでは驚きの事実を明かした。「スタートした瞬間に両脚つっちゃって…。結構焦って、腰ナンバー(も)手に付いちゃって…。いろいろ散々だったんですけど、その中でも気合で走りました」。全く力を出し切れていない中で、世界の5位。かえって泉谷の凄みを示したアクシデントとなった。

 「まずは3本、しっかり走れる体力を付けていこうと思っている。来年のパリ五輪に向けて練習を積んで、メダルを目指して頑張りたい」。アクシデントの中、5位まで来た泉谷。メダルはすぐそこにあると思わせた。

 21年東京五輪、22年オレゴン世界選手権と世界大会で2年連続準決勝敗退。特に東京五輪は決勝進出までわずか0秒03に泣いた。自らの記録を縮め、技術を磨いて迎えたブダペスト。「まずはしっかり決勝に進むことで、メダルは狙えそうだったら狙うという感じで頑張りたい」。準決勝突破のミッションを三度目の正直でクリアし、夢のファイナルでも死力を尽くした。

 横浜・緑ヶ丘中で本格的に陸上を始めて以降、異色のキャリアを駆けてきた。「単純に試合に出られなくて」。短距離に取り組む一方で、出場機会を得るために四種競技(400メートル+110メートル障害+走り高跳び+砲丸投げ)に挑戦した。

 武相高時代の17年には、さらに総合力が必要となる八種競技(100メートル+走り幅跳び+砲丸投げ+400メートル+110メートル障害+やり投げ+走り高跳び+1500メートル)で全国高校総体を制し、三段跳びでも3位に入るなど驚異の身体能力を誇った。

 110メートル障害を主戦場に選んだのは順大進学後。「400メートルと1500メートルが嫌いすぎて…」。持久力が問われる種目には別れを告げ、スピードと技術を高次元で融合させるために汗を流してきた。

 社会人2年目の23歳。ブダペストで決勝進出を成し遂げたが、まだまだ伸びしろはある。1年後のパリ五輪へ。世界のファイナルを知ったエースが、“花の都”で表彰台を狙う。

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