パリ五輪へ弾み!三浦龍司 日本人初の6位入賞 陸上3000メートル障害

2023年08月24日 04:43

陸上

パリ五輪へ弾み!三浦龍司 日本人初の6位入賞 陸上3000メートル障害
男子3000メートル障害決勝 水濠を越える三浦龍司=ブダペスト(共同) Photo By 共同
 【陸上 世界選手権第4日 ( 2023年8月22日    ハンガリー・ブダペスト )】 男子3000メートル障害決勝で、日本記録保持者の三浦龍司(21=順大)が8分13秒70で6位入賞を果たした。世界選手権の同種目では日本勢初入賞で、五輪を含めても21年東京五輪の自身の7位を上回る日本勢最高成績。予選敗退に終わった昨年大会の雪辱を果たし、来夏のパリ五輪へ弾みをつけた。男子走り高跳び決勝では赤松諒一(28=アワーズ)が2メートル25で8位に入り、同種目の日本勢2人目の入賞となった。
 日本勢最高の6位でフィニッシュしても、素直に喜べなかった。3位との差は1秒72。入賞の達成感よりも、メダルをつかみきれなかった悔しさが込み上げた。「うれしいのは率直な気持ち。でも、もうちょっといけたという悔しさ半分」と本音を漏らした。

 描いた作戦通りの展開だった。最初の1000メートルは後方から。「中盤からうまく自分のペースにビルドアップできるように」。じりじりと順位を上げ、一気にスピードアップするラスト1周でも互角以上に渡り合った。有力選手の転倒もあり、一時は5番手まで浮上した。ゴール直前に順位を1つ下げたが、表彰台は「現実味がある」。確実に世界との距離は縮まった実感があった。

 東京五輪で7位入賞も、昨年は予選敗退。勢いだけでは世界に太刀打ちできない。その後は積極的に世界での戦いを求めた。昨年9月には女子やり投げの北口とともに、日本勢初のダイヤモンドリーグ・ファイナルに駒を進め、4位に入った。国内では体感できない雰囲気やレースパターンを経験し、レースプランの引き出しは増えた。さらに、真面目な男が「楽しむ余裕を持っていないと。思い詰めてばっかりだと良くない」と吹っ切れた。

 来夏はパリ五輪。「(昨年)予選で終わった悔しさに比べたら、入賞して悔しいと言える方が幸せ。着実に世界との差を詰めていければ」。まだまだ伸びしろ十分の21歳が、収穫と課題を持ち帰る。

 ◇三浦 龍司(みうら りゅうじ)
 ☆生まれとサイズ 2002年(平14)2月11日生まれ、島根県浜田市出身の21歳。1メートル68、56キロ。

 ☆競技歴 小学1年からクラブで競技を始めた。京都・洛南高では19年全国高校総体3000メートル障害2位。同種目で16年リオ五輪に出場した塩尻和也(富士通)に憧れ、順大に進学。来春の卒業後はSUBARUに入社予定。

 ☆日本記録 21年には3試合連続で更新。今年6月のダイヤモンドリーグ・パリ大会で21年東京五輪で出した自身の記録を0秒01更新する8分9秒91をマークした。

 ☆箱根駅伝 1年時の21年大会は1区で区間10位。その後はエース区間の2区を任され、2年時11位、3年時12位。全日本大学駅伝は1年時に1区、2年時に2区で区間賞。

 ☆趣味 日本海に面した浜田市は良質の釣り場が多く、実家に帰省したときは釣りを楽しむ。地元で開催される出雲駅伝では大人気。

おすすめテーマ

2023年08月24日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム