疲れたときに効く「前屈ストレッチ」の効果とやり方

2023年09月12日 09:00

疲れたときに効く「前屈ストレッチ」の効果とやり方
カラダを動かさないことは、ストレスに繋がりやすくなります。とはいえスポーツジムや健康器具を買うにもお金が掛かりますし、わざわざランニングに出かけるのも面倒くさい。そんなときは、自宅でストレッチに取り組んでみましょう。 伸 […]

カラダを動かさないことは、ストレスに繋がりやすくなります。とはいえスポーツジムや健康器具を買うにもお金が掛かりますし、わざわざランニングに出かけるのも面倒くさい。そんなときは、自宅でストレッチに取り組んでみましょう。

伸ばす動作は筋肉の動きを伴うため、運動効果も期待できます。また、血管は筋肉の中にも通っているため、筋肉が柔らかくなることで血圧や脈拍にもよい影響を与えます。

今回はカラダの硬い人でも変化を得やすいストレッチ、「前屈」のやり方をご紹介します。

一回でも効果が現れますが、継続することで柔らかく疲れにくいカラダが手に入ります。「私は身体が硬いから」という人こそ大きな改善が望めますので、ぜひ継続して行ってみてください。

ストレッチは疲労回復をスムーズにしてくれる

ストレッチを行うと、筋肉がほぐれて血流がよくなり、カラダに酸素と栄養が届きやすくなります。疲労回復や筋肉痛の予防なども期待できます。

また、静的ストレッチで自律神経のバランスをコントロールする副交感神経の働きを優位にさせることで、血圧や心拍数を緩やかにし、心身をリラックスさせてくれます。就寝前やリラックスしたいときにオススメです。

「筋肉が固くなるということは、全身に張り巡らされた毛細血管が圧迫され、血液循環が悪くなります。すると筋肉は酸素不足・栄養不足になり、疲労物質を除去できずさらに固くなります。それが体の不調の慢性化、負のスパイラルへとつながるのです」

筋肉をほぐすと、どんなメリットがあるの?カラダファクトリーの整体師が解説 より

初心者向け!前屈ストレッチのやり方

まずは現在の柔軟性をチェック

立った状態で前屈し、床と中指の距離を測ってください。一人で行う場合はメジャーやものさしを持ちながら前屈し、床までを測ります。

ここでいう「足」とは、くるぶしより下の箇所、「脚」は太ももやふくらはぎ全体を示します。

立った状態で前屈

通常は、両脚を伸ばして座る長座姿勢で前屈します。しかしカラダが硬い人は、長座の時点で前屈することが難しいでしょう。

また、両脚を同時に行うと、硬い方にしかアプローチできません。そのため、片方ずつ行うのがオススメです。

まずは片脚から

長座してから右脚を開き、右足裏を左足の太もも内側に付けます。脚で「6」の形になるイメージです。そこから前屈していきましょう。

長座してから右脚を開き、前屈

前屈すると、太ももの裏付近が伸びているのがわかるはず。無理に伸ばそうとせず、6~7割程度の強さで伸ばしながら、足をワイパーのように振りましょう。

何回か振っていると、前屈がどんどん進むようになります。同程度の強度をキープしながら、ジワジワ前屈を進めてください。筋肉の伸びを意識しながら息を吐き、脱力すると、より伸ばすことができます。

2~3分ほど行ったら、血流を戻すために立って脚をブラブラさせてください。その後、反対側の脚も同様に行います。これを2~3セット行うとよいでしょう。

両脚で行う

次に両脚を伸ばして長座し、開閉して動かしながら、6~7割の前屈がキープできるよう角度を進めていきましょう。

2~3分行ったら、立って脚をブラブラさせ血流を戻します。その後、改めて前屈を計測してみてください。

両脚を伸ばして長座

なぜ前屈は少しずつ深さが進んでいくのか

なぜ、前屈のストレッチはジワジワと進んでいくのでしょうか。カラダはひとつの筋肉ではなく、いくつかの筋肉で協働し合いながら動きます。

たとえば前屈をするとき、硬い筋肉があるとそこで動きが制限されてしまいます。

ひとつの動きだけでは硬い筋肉をしっかり伸ばすことができず、いつまでも硬いままですが、足をワイパーのように動かすと、硬い筋肉を含めていろいろな筋肉にアプローチすることができます。その結果、前屈の柔軟性を進めることができるのです。

なお、ワイパーの動きが小さいと、変化も小さくなるようです。

ストレッチの効果を引き出すポイント

効果を感じにくいときは以下のポイントをチェックしてみましょう。

どの筋肉を伸ばしているのかを知る

大切なのはポーズをとることではなく、伸ばしたい筋肉がしっかり伸びていること。伸ばしたい筋肉にしっかり伸びを感じるかどうか、確認しながら行うようにしましょう。

筋肉が伸びやすいタイミングで行う

筋温が低いときは筋肉が伸びにくく、ストレッチ時の痛みも感じやすい状態となります。しかし筋温が高まると伸張痛を感じにくくなり、より筋肉を伸ばすことができるのです。

筋温が高まりやすいタイミングは、運動後や入浴後。このタイミングでしっかりストレッチすることで、効果を高めることができるでしょう。

ストレッチ中に息を止めない

よく「ストレッチ中に息を止めないように!」と言われますが、それは血圧が高まるのを抑えるだけでなく、筋肉を伸びやすくするためでもあります。

また、息を吐くことによって副交感神経が高まり、副交感神経が働くとカラダがリラックスして筋肉が伸びやすくなるのです。

ストレッチをする際は深い呼吸を意識し、伸ばす力を入れる際はゆっくりと息を吐きながら行うとよいでしょう。

細かく角度を変えて行う

ストレッチはほんの少し角度を変えるだけで、伸びる場所や伸びやすさが変わります。これは、見様見真似のストレッチではわからないことです。

ストレッチの種類とは

ストレッチは、関節を曲げ伸ばしすることで柔軟性を高めたり、関節の可動域を広げることを目的とする運動を指します。

体を動かしながら柔軟性を高めていく「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」と、反動をつけず筋肉を伸ばしたまま静止する「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」の種類があります。 

前屈は静的ストレッチに分類されます。

各ストレッチの効果とタイミング

  主な効果 行うタイミング
スタティックストレッチ ・筋柔軟性アップ
・関節可動域アップ
・起床時
・お風呂上がり
・就寝前
ダイナミックストレッチ ・筋温上昇
・体温上昇
・関節の滑走性アップ

・ランニングやトレーニングなどの運動前

なお、ストレッチのダイエット効果については、以下のような見解が。ストレッチの消費カロリーは少ないですが、ストレッチを行うことで運動エネルギーが上がりやすくなり、結果として痩せやすい身体に繋がっていくようです。

ごろ運動があまりできず、体が凝り固まっている方は、ストレッチをすることによって筋肉の柔軟性と可動域が高まり運動消費エネルギーが上がりやすくなります。ま、筋温や体温の上昇によって基礎代謝が上がり、ダイエットにつながりやすくなると考えられます

「ストレッチで痩せる」ってできるの?ジムトレーナーが解説 より

身体の柔軟性に関するギモン

年をとると身体が硬くなる?

年をとるとカラダが硬くなるというのは、年齢が原因ではありません。その多くは、運動不足などによる筋委縮・筋緊張などが原因なのです。

中には「子どもの頃はあんなに柔らかかったのに」「赤ちゃんはあんなに柔らかいのに」と思われる方もいるでしょう。

これは、子どもの時期はカラダの成長が完成されておらず、関節や関節周囲の組織がしっかり完成していないため柔らかいのです。そのため、子どもの頃と比べるのは意味がありません。

カラダを柔らかくするには、運動を行うしかありません。じっくり筋肉を伸ばす静的ストレッチが効果的です。

運動後や入浴後など、筋肉の温度が上がっているときに忘れず実施するとよいでしょう。

お酢を飲んだら体は柔らかくなる?

よくカラダを柔らかくするためにお酢を飲むという方がいます。しかし、これは都市伝説ですので行っても柔軟性は高まりません。

<プロフィール>
赤堀達也(あかほり・たつや)
1975年・静岡県出身。小中大でバスケを指導し、独創的理論・論理的指導で体力テスト低水準校が県大会優勝するなど選手育成を得意とする。最高戦績は全国準優勝。2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、この理論を応用した幼児体育・健康の研究を行う。またパーソナルストレッチやスポーツスタッキング、部活動改革にも取組む。
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也>

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