【記者の目】五輪競技、IOCの一方的な都合で競技の未来が変わる

2023年10月17日 04:33

五輪

【記者の目】五輪競技、IOCの一方的な都合で競技の未来が変わる
五輪開催都市提案追加競技 Photo By スポニチ
 開催都市による追加競技は、2014年にIOCが提示した中長期改革案「アジェンダ2020」の中で提案されたもので、21年の東京五輪で初めて実施された。IOCは当時、五輪招致に名乗りを上げる都市の減少に強い危機感を抱いていた。そこで各都市が招致に乗り出しやすいように開催国内で人気がある新競技の追加を認め、同時にアーバンスポーツを積極的に取り入れることで若者へのアピールを狙った。
 そのおかげで東京大会では野球・ソフトボールが復活し、空手も実施されて大いに盛り上がった。しかし、来夏のパリ五輪ではどちらも不採用となり、パリで採用されて注目されたブレイキンもロスでは行われない。採用や不採用の明確な基準がないため、当落線上の競技の関係者は毎回一喜一憂させられ、長期の展望が立てられずにいる。

 復活が決まった野球・ソフトボールも次回以降の保証はない。ソフトボールなどのマイナー競技にとって五輪は唯一最大のアピールの場で、採用されるか否かは競技人口やスポンサー収入に直結する。IOCの一方的な都合だけでその競技の未来が決められてしまう今のやり方が正しいのかどうか、どこかで一度立ち止まって検証してみるべきだろう。(編集委員・藤山 健二)

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