甲子園ボウル目指し激闘必至 今春「KG超え」果たした関大QB須田「失うものは何もない」

2023年11月22日 06:30

アメフト

甲子園ボウル目指し激闘必至 今春「KG超え」果たした関大QB須田「失うものは何もない」
第78回甲子園ボウル Photo By 提供写真
 【関西学生アメリカンフットボールリーグ最終節   関学大ー関大 ( 2023年11月26日    万博記念競技場 )】 その瞬間、関大QB須田啓太(3年)は驚がくした。「おい、マジか…」。スタンドで観戦した関学大―立命大の全勝対決(11日)。立ち上がりに2度のターンオーバーをTDにつなげた王者が、一度も主導権を渡さない。60度目のリーグ優勝を決める31―10の快勝劇。スコアや内容は想定内でも、スタッツ(集計結果)に、関学大の持つ真の強さや怖さを見ていた。
 「獲得ヤードで100以上も少ない(立命大370―関学大265)のに、決めるべきところを決める、あれが関学さんの戦い方なんだ、と」

 その顔に、最終節で自力優勝の可能性が復活した喜びや安どはない。昨年2位に食い込み、頂点だけを求め、期待された2023年シーズン。春に「KG超え」を果たし、須田もチームメートも目指すレベルがより高くなっていた。

 「今年はそんなに強くないのに、自分たちはもっとできる、と…。理想と現実のギャップにずっと苦しんでました」

 確固たる手応えを得られないまま迎えた立命大戦(10月29日)で27―38。力不足は認めても、やはり1年前に撃破した相手に完敗したのは精神的ダメージが残った。「立ち直るのに時間がかかりました」。失意の中で4日間の強化合宿。ひたむきに汗を流しながら、司令塔は心が軽くなった自分に気づいた。

 「1回負けて、やっとプレッシャーから解放された。もう、失うものは何もない。だったら、関学大戦で何かを残してやろう、と思います」

 京大が立命大を下すか引き分け、関大が関学大に勝てば、大逆転で13年ぶりの優勝と、全日本選手権準決勝出場が決まるラスト。ただ、ハードルは高い。磯和雅敏監督は「うちがノーミスで、関学さんにミスが出て、ようやくうちに勝つチャンスが出てくる」と戦力差を表現する。オフェンスに破壊力を持つ一方、不安材料は昨年の主力が抜けたディフェンス。自身のプレーで流れ、雰囲気を変えられる須田の奮闘は欠かせない。

 優位な立場にいる関学大も、胸を貸す意識はない。「春に負けてますからね。やり返さないと」と大村和輝監督が言えば、大一番に強い評価が定着したDB中野遼司(3年)も「須田君はメチャクチャうまいので頑張りたい」と標的を定めた。昨年の直接対決でも、決着をつけるインターセプトTDを決めたハンター。背番号25のパフォーマンスに、勝敗の行方は委ねられる。 (堀田 和昭)

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