甲子園ボウルへの道 関学大の史上初6連覇か!法大オレンジの意地か!聖地決戦はアメフト復権の好機

2023年12月13日 10:30

アメフト

甲子園ボウルへの道 関学大の史上初6連覇か!法大オレンジの意地か!聖地決戦はアメフト復権の好機
第78回甲子園ボウル Photo By 提供写真
 【第78回甲子園ボウル   法大-関学大 ( 2023年12月17日    甲子園 )】 既知の間柄が醸し出す、穏やかな空気が流れていた。4日の甲子園ボウル記者発表会見。関学大LB海崎琢主将と法大WR滝沢叡主将は高3の時、U―18日本高校選抜のチームメートだった。健闘を誓いながらも、久しぶりの再会を少しだけ楽しんでいた。
 関学大・大村和輝監督と法大・富永一ヘッドコーチ(HC)は、社会人オービック時代の同僚。スカウティング部門にいた富永HCの情報、分析を元に、オフェンスコーディネーターの大村監督が作戦を立て、プレーコールを出していた。「いい意味で、何を考えているか分からない人」。自身に対する富永HCの印象に苦笑いしながら、王者を率いる将は、相手をこう評した。

 「彼はとてもスマート。(当時)こちらが欲しい情報を的確に、迅速に伝えてくれた。頭のいいコーチだと思う」

 言葉の額面以上に、警戒心は強い。学生に対し4年ぶりの黒星を喫した関大戦(11月26日)。DLがつぶれ役に徹し、人数をかけてランを止めに来た相手に、オフェンスは対応できずにいた。「向こうがつぶれてきても、できるプレーが遂行できていない」。鉄は熱いうちに打て――。屈辱の1敗を喫した翌日から2日間、試合で出た課題だけに特化した練習に取り組んだ。徹底的に想定外をなくすのがファイターズの伝統。ただ、スカウティングにたけた富永HCの目には、新しい「急所」が映っているかもしれない。

 久しく続く「西高東低」の図式。最近20年間の甲子園ボウルでは、関西勢が17勝3敗と大きくリードしている。「関西のチームはフットボールをしているな、と感じます」。崩れたパワーバランスの要因を聞かれた富永HCの答えは明快だった。競技の原点は1対1のコンタクトプレー。ベースに個の戦いがあり、戦略、戦術は本質と違う。大村監督は何よりファンダメンタルを尊重し、法大も今季は「接点」をテーマに掲げ、時間を割いてきた。チーム強化のベクトルは、同じ方向を向いている。

 両雄が顔を合わせた同じ日、来季から「全日本大学選手権」のシステムが変更されることが発表された。関西、関東ともに3校が出場し、東西の「壁」も初めて撤廃。1年後は「関西対決」「関東対決」の風景が現出する可能性も出てきた。関学大が史上初の6連覇で締めくくるのか、それとも法大が堅固な勢力図に「オレンジ」の意地を示すのか。聖地の戦いは「アメフト復権」の好機となる。 =終わり= (堀田 和昭)

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