冬の筋トレ効果アップ!朝食に「ある食べ物」を取り入れるだけ[医師監修]
2024年01月24日 09:00
気象庁によれば、この冬は暖冬傾向とのことです。しかし、1月中旬以降は冷え込みが厳しくなり、東京都心でも最低気温0℃を観測する日もあります。
冬の身体作りを正しく効率的に行うにはどうしたら良いのか? 運動メニューと朝食にヒントがあります。トレーニングや腸活に詳しい、医師の伊藤明子先生にポイントを伺いました。
冬だからこそのトレーニングの注意点は?
冬は気温の低下により、全身の血流が滞りやすくなります。そのため、筋肉の活動も低下しやすくなってしまうのです。
特に、冷え込みが厳しくなってきた直後は、身体がまだ寒さに慣れていないので要注意。トレーニング効率が落ちるだけでなく、ケガのリスクも高まるので、ウォームアップを丹念に行うようにしてください。
ちなみに、どのくらいの運動量が良いのか? 私がクリニックで一般の方を指導する際の目安は次の通りです。
- 歩行(有酸素運動):1日あたり最低8000歩から1万歩程度
- 筋トレ(スクワット):1日あたり30~60回程度
- プランク(体幹トレーニング):1日1分間
日頃からトレーニングをされている方にとっては物足りないかもしれませんが、このくらいの運動量でも筋肉量のアップが期待できます。
ひとつの目安にした上で、ご自身にとって無理のないトレーニングを行ってください。
腸内細菌と筋トレの関係性。最新の研究ではどんなことが明らかに?
最近、腸内細菌の観点から興味深いエビデンスが明らかになりました。
それは、2022年に発表された、時間栄養学の第一人者である早稲田大学・柴田重信先生が中心となったマウスでの研究です。
端的に言えば、「低温(大気温度7℃)に晒されると腸内細菌に変化が生じ、有益な短鎖脂肪酸という物質を作る力が下がってしまう」というのです。人間での研究が今後必要ですが、同じようなことが人間でも起きている可能性があります。
短鎖脂肪酸は、免疫の働きを高めることが知られていますが、実は、筋肉量を増やす働きがあることもわかっています。裏返せば、腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が減ると、トレーニング効率が落ちる上に、風邪や感染症などでダウンしてしまうリスクも高まります。
そのため、気温が低くなる冬は、腸内細菌を助けてあげられるような“腸活”が必要なのです。
忙しい人でも手軽にできる腸活術は?
私のオススメは、「朝食にちょっとした工夫を加えること」です。腸内細菌のエサになる“良質な食物繊維”と、筋肉の元となる“良質なたんぱく質”をしっかり摂ることが大事です。
アスリートの方にも実際にオススメしている、冬の手軽な朝食をひとつご紹介します。
作り方は簡単です。
ケロッグオールブランなどの小麦ブラン(外皮)シリアル、オイコスなどの高たんぱくヨーグルト、そこに牛乳または豆乳・アーモンドミルク・オーツミルクといったミルクをかけて、最後に、すりごまと煎りアーモンド(無塩、ノンフライ)をトッピングするだけです。
さらにお好みでプロテインを加えるとよいです。
小麦ブランは小麦の外皮ですが、腸内細菌に必要な発酵性食物繊維という良質の食物繊維が食品の中でも群を抜いて多く含まれています。
また、意外かもしれませんが、ごまとアーモンドも、食物繊維とたんぱく質が豊富なので私はアスリートの方にも勧めています。
このボウルと、目玉焼きまたはゆで卵など卵1個、バナナの3点セットで朝食は完璧。シリアルだけよりも腹持ちが良いので、会議中にお腹が鳴る心配もありません。
トレーニングをされている方は、たんぱく質の摂取はしっかり出来ていると思いますが、冬は良質の食物繊維もセットにして十分に補給することが何より大事です。
ぜひ、明日の朝食から取り入れてみてください。
監修者プロフィール
赤坂ファミリークリニック 院長
伊藤明子(いとう・みつこ)先生
赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院小児科医。アスリートの健康管理や腸内細菌についての研究にも精力的に取り組む。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科卒。近著に『医師が教える子どもの食事 50の基本 ~脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方』。テレビ・ラジオ・雑誌等各メディアに多数出演・掲載。2児の母。
<Edit:編集部>
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