【玉ノ井親方 視点】照ノ富士の今日のような投げは琴ノ若には利かない

2024年01月25日 20:05

相撲

【玉ノ井親方 視点】照ノ富士の今日のような投げは琴ノ若には利かない
大の里(右)を上手投げで下す照ノ富士(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【大相撲初場所12日目   ●阿武咲(はたき込み)琴ノ若○   ●大の里(上手投げ)照ノ富士○ ( 2024年1月25日    両国国技館 )】 今場所の琴ノ若は立ち合いを毎日変えて取っているのが、安定感につながっている。
 相手によって、当たる位置を少しずつずらしたり、右差しを狙ったり。自分より小柄な力士の時は腕をクロスさせて脇を締め、懐に入られないように工夫して立っている。

 立ち合いで押されることが少なくなったことで、より早く自分のペースに持ち込むことができるようになった。その分、1メートル89、177キロの体にも圧力が加わり突進力が増した。

 阿武咲戦も左腕をクロスさせるように脇を締めて、懐に入られるのを防いだ。相手が左足を滑らせる形になり、はたき込んで勝ったが、見方を変えればそれだけ琴ノ若の圧力が凄かったということだ。

 あす13日目の横綱戦は結果次第で優勝に大きく近づく一方、そこから千秋楽まで3連敗もありえる大一番になる。

 照ノ富士は序盤は足が地についていない感じもあった。それが後半戦に入って、相撲勘も日に日に戻り、状態も良くなってきている。

 琴ノ若に対し右を差して、左上手を引く展開になれば横綱の相撲になる。

 ただ、不安もある。随分良くなったとはいえ、まだ良い時の状態に戻っていないのは確か。大の里戦も立ち合いで当たって一度相手を止めてから、まわしを取っている。そこから投げにいっているが、土俵際の投げは一番危ない。

 琴ノ若戦で中に入られたり、前に出られたら今日のような投げは利かない。相手もそのあたりを考えて当たってくるだろう。琴ノ若が差して出る展開になれば面白い。
(元大関・栃東)
 

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