有森裕子氏 ペースメーカーに頼ろうとしない気持ちこそ前田穂南の本当の「強さ」

2024年01月29日 05:10

マラソン

有森裕子氏 ペースメーカーに頼ろうとしない気持ちこそ前田穂南の本当の「強さ」
ハート型のメダルを手に笑顔の前田(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【大阪国際女子マラソン ( 2024年1月28日    ヤンマースタジアム長居発着の42・195キロ )】 【有森裕子の目】今はペースメーカーが当たり前の時代ですが、ただついていくだけでは自分の殻を破ることはできません。前田穂南さんは今回、「日本新」という明確な目標を持ち、そのためにやるべきことを全てやり、最後まで自分の思いを強く持ち続けました。ペースメーカーに頼ろうとしないこの気持ちこそが、本当の「強さ」なのだと思います。
 元々彼女は計画的に「ここで行くぞ」とスパートするようなタイプではありません。レース中の自分の感覚に合わせて、誰もが予想しないところでスーッと自然に前に出るのが持ち味です。スタートから位置取りやリズムが合わずに走りにくそうにしていたので、それなら自分のペースで行こうと思って自然と体が動いたのがたまたま中間点過ぎだった、ということなのでしょう。

 終盤も本当によく粘りました。前にランナーがいたのも大きかった。1人で走っていたらなかなかあのパワーは出ません。そして何より「日本新を出す」という明確な目標があったからこそ、一番苦しいところを乗り越えて最後まで粘れたのだと思います。

 まだ名古屋があるので五輪切符がどうなるかは分かりませんが、こういうレースができれば十分に世界でも通用する。そう思わせてくれる素晴らしい走りでした。(五輪2大会連続メダリスト)

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