張本智和「神様のおかげ」6大会ぶりV 8度のマッチポイントしのいだ「いつも完璧だけど、今日は…」

2024年01月29日 04:50

卓球

張本智和「神様のおかげ」6大会ぶりV 8度のマッチポイントしのいだ「いつも完璧だけど、今日は…」
男子シングルスで6大会ぶりに優勝した張本智和(右)(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 男女シングルス決勝が行われ、2年連続で同じ顔合わせとなった男子は、張本智和(20=智和企画)が3連覇を狙った戸上隼輔(22=明大)に4―3で逆転勝ちし、6大会ぶり2度目の頂点に立った。女子は早田ひな(23=日本生命)が張本美和(15=木下アカデミー)をストレートで下し、2大会連続3度目の優勝を果たした。
 勝った瞬間、張本智は立ち尽くしていた。見えない力に導かれるように、崖っ縁からたどり着いた2度目の全日本の頂点。「本当に言葉が出ない。いつも自分は(試合後の)インタビューが完璧だけど、今日は本当に言葉が出ない。神様が優勝させてくれたのかな…。神様のおかげです」。涙を流しながら、逆転劇を振り返った。

 ともにパリ五輪代表入りが確実な戸上との頂上決戦。拮抗(きっこう)した戦いが続く中、第6ゲームに3度、第7ゲームに5度と計8度もマッチポイントを握られた。だが、絶体絶命の危機を乗り越えるたび、会場のボルテージは上がっていく。「8回も耐えるなんて、この先あるかないか…」。最後はフォアの強打で勝負を決め、歓声を独り占めした。

 史上最年少となる14歳で全日本を制してから、6年。無邪気に戦っていた昔とは違い、東京五輪で一緒に戦った水谷隼が引退してからは日本のエースとして周りから見られてきた。ずっと感じてきた期待と重圧。誰もが向かってくる状況を乗り越えたからこそ「(6年前より)10倍も20倍も100倍も優勝した実感があってうれしい」と感慨に浸った。

 「全日本を獲らないと“エースってどうなのかな”という思いがあった。これで正真正銘、自分が日本のエースなんだと言える」。力を認めるライバルに打ち勝ち、再び手にした日本一の座。東京に続く2度目の五輪に胸を張って臨む。

 ≪戸上3連覇逃す≫戸上は史上7人目の3連覇を逃した。張本智相手に8度もマッチポイントを握りながら、勝負を決めきれず逆転負け。「冷静さに欠けていて、自分の狙いが定まらずにプレーしてしまった。一生忘れない試合になった」と言葉を絞り出した。張本智とともに、パリ五輪のシングルス代表は確定済み。「半年後に向けて切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と切り替えていた。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年01月29日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム