張本智和「神様のおかげ」6大会ぶりV 8度のマッチポイントしのいだ「いつも完璧だけど、今日は…」
2024年01月29日 04:50
卓球
ともにパリ五輪代表入りが確実な戸上との頂上決戦。拮抗(きっこう)した戦いが続く中、第6ゲームに3度、第7ゲームに5度と計8度もマッチポイントを握られた。だが、絶体絶命の危機を乗り越えるたび、会場のボルテージは上がっていく。「8回も耐えるなんて、この先あるかないか…」。最後はフォアの強打で勝負を決め、歓声を独り占めした。
史上最年少となる14歳で全日本を制してから、6年。無邪気に戦っていた昔とは違い、東京五輪で一緒に戦った水谷隼が引退してからは日本のエースとして周りから見られてきた。ずっと感じてきた期待と重圧。誰もが向かってくる状況を乗り越えたからこそ「(6年前より)10倍も20倍も100倍も優勝した実感があってうれしい」と感慨に浸った。
「全日本を獲らないと“エースってどうなのかな”という思いがあった。これで正真正銘、自分が日本のエースなんだと言える」。力を認めるライバルに打ち勝ち、再び手にした日本一の座。東京に続く2度目の五輪に胸を張って臨む。
≪戸上3連覇逃す≫戸上は史上7人目の3連覇を逃した。張本智相手に8度もマッチポイントを握りながら、勝負を決めきれず逆転負け。「冷静さに欠けていて、自分の狙いが定まらずにプレーしてしまった。一生忘れない試合になった」と言葉を絞り出した。張本智とともに、パリ五輪のシングルス代表は確定済み。「半年後に向けて切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と切り替えていた。
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