「ちゃんと練習すること」―― 四大陸女王・千葉百音が心に刻む先輩の言葉

2024年02月02日 23:20

フィギュアスケート

「ちゃんと練習すること」―― 四大陸女王・千葉百音が心に刻む先輩の言葉
千葉百音(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【フィギュアスケート四大陸選手権第2日 ( 2024年2月2日    中国・上海 )】 女子フリーが行われ、昨年銅メダルの千葉百音(木下アカデミー)がSPに続きトップの143・88点をマークし、合計214・98点で初優勝を果たした。SP、フリー、合計点とも全て自己ベストを更新。3月の世界選手権(モントリオール)へ大きく弾みをつけた。
 「シニアの主要大会で優勝できてうれしい」という千葉だが「トップと競り、詰めるには、まだと感じる部分が非常に多い」と正直に語る。「本当にこれからだと思う。もっともっとレベルアップしていけるように。スタートダッシュの1歩目にすぎない」と自らに言い聞かせるように語った。

 仙台市出身。幼少期に同じリンクでかわいがってくれた偉大な先輩の名前を、今では取材で口にすることはない。きっと、千葉百音というスケーターとしての自我が確立したから。だが、かつてカナダに拠点を置いていた、その先輩は仙台に帰るたびに言ってくれた。「ちゃんと練習すること」――。シンプルだが、それをずっと続けることは難しい。千葉が心に刻む言葉の一つだ。

 先輩のあこがれる部分について「本番で完璧な演技をするメンタルの強さ」と言ったことがある。「私はまだ大会やその会場によって調子が左右されてしまう」と明かした千葉は、その先輩を引き合いに「どんな大会、どんな会場でも自分の全力が出しきれるようになりたい」と願った。それから数年後。背中を追いかけた少女が一途に練習を続け、飛躍の時を迎えている。

 昨年末の全日本選手権で初の表彰台となる準優勝に輝いても、慢心は一切ない。仙台に帰省した正月も、感覚が衰えないよう氷に乗った。今大会で結果を残したことで「少しは自分の良さを磨けるように、表現できるようになってきた」と手応えをつかんだ。3月には初の世界選手権が待つ。「ちゃんと練習すること」。それは、これまでも、これからも続く。その先に、先輩も躍動した夢の五輪舞台がある。

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