【リーグワン】随所で老かいなプレー&判断 埼玉の“ラスボス”堀江翔太が開幕7連勝をけん引

2024年02月17日 20:24

ラグビー

【リーグワン】随所で老かいなプレー&判断 埼玉の“ラスボス”堀江翔太が開幕7連勝をけん引
<埼玉・東京SG>試合後、鼻の付け根の裂傷から血がしたたりながらも取材に応じる堀江翔太 Photo By スポニチ
 【ラグビーリーグワン1部第7節   埼玉24―20東京SG ( 2024年2月17日    埼玉・熊谷ラグビー場 )】 2季連続プレーオフに進出している上位勢同士の対戦は、埼玉が24―20で東京SGに競り勝ち、開幕7連勝で首位を守った。7点を追う後半8分から途中出場したフッカー堀江翔太(38)は、逆転勝利に導く好プレー&好判断を随所に発揮。“ラスボス”の本領を発揮した。
 ドレッドのツインテールがピッチに入ると、スタジアムの空気と相手の選手の表情が変わる。7点差とされた直後の後半8分に坂手主将と交代した堀江は、まずは選手個々に修正ポイントなどの声がけをする。そしてスクラムの際には、主審に相手選手が反則気味の組み方をしていることを進言。直後から五分だった押し合いは、埼玉優勢に傾いた。

 プレーでの見せ場は後半16分。カウンター攻撃で勢い良く相手ゴールラインに迫ると、目の前でできたラックでSHの到着を待つことなく、自らボールをピック&ゴー。その際、目の前の相手を引きつけてパスを出せるよう、あえて右手だけでボールを抱え、タックルされたところでオフロードパス。最後はFB野口のトライにつながった。

 1点リードの終了間際にも、ゴール前のペナルティーでスクラムを選択。相手に膝を付かせて再びペナルティーを得ると、すぐに電光掲示板の時計を確認した。巧みに時間を消費し、79分台になったのを確認してから、主審にショット選択をコール。SO松田も堀江の意向をくんで時間をたっぷりと使い、終了合図のフォーンが鳴ってから3点を加え、試合を締めくくった。

 日本代表通算76キャップ、W杯4大会連続出場。国内外のリーグでも場数を踏んできた38歳らしい老かいさを発揮したが、本人は「いつも流れを変えようとは思っていない。(練習で)やってきたことを、どう全うするか特別なことはしていない」とさらりと言う。続けて「(試合は)ちょっとしたピアノの発表会みたいなもの。時々アドリブもあるけど、決められた曲を弾くだけなので」と言ってのけた。

 現役引退まで、残りは最大でも11試合。惜しむ声が日に日に高まる活躍を見せる生けるレジェンドは、この日も勲章とも言える傷を鼻の付け根に新たにこしらえた。

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