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【二所ノ関親方の夏場所総括】大の里は研究怠らず精進を 「昭和のお相撲さん」平戸海にも注目

2024年05月28日 04:15

相撲

【二所ノ関親方の夏場所総括】大の里は研究怠らず精進を 「昭和のお相撲さん」平戸海にも注目
<大相撲夏場所9日目>大の里(左)を押し出しで破る平戸海(撮影・松永 柊斗) Photo By スポニチ
 春場所の尊富士に次いで夏場所も大銀杏(おおいちょう)が結えない大の里が優勝しました。上位がしゃきっとしないのが大混戦の最大の元凶。12勝の優勝も寂しい限りで、特に大関陣は今まで以上に危機感を持っていただきたい。
 大の里は着実に成長の跡はうかがえますが、ここがゴールではありません。マークはさらに厳しくなりますので、安定感を持たせるためにも研究を怠らずに精進してほしい。先日、掃除をしていたら現役時代の相撲の日記が出てきました。日々の稽古内容、取組をノートに書き留めることで修正や技術の向上に役立てていました。大の里もどこが悪いか、どこが良いのかをしっかり把握するにはポイントを言語化しておくことも必要です。

 現在の勢力図は「1強」の横綱・照ノ富士とその他大勢。番付崩壊が顕著です。大関陣は2人が休場。霧島は在位6場所で陥落します。役力士が平幕と同等に扱われているから、若手がノビノビと取る傾向が散見されます。その中では琴桜が力を発揮していたのが唯一の救いです。ただし墓穴を掘るような相撲で数番落としたのは、今後の改善点でしょう。元々相手に対処しながら良さを出すタイプ。大きな武器である一方、相手を圧倒するような攻めが欲しいところです。初日につまずいたのが最後まで響いた上に、14日目の阿炎との大一番を落としたのも痛かった。1勝の重みを感じて、こだわりを持って取り組んでもらいたい。

 大の里に次ぐ新星誕生を予感させるのが平戸海です。夏場所は自己最高位の東2枚目で9勝を挙げたのは立派。大の里戦も見事な内容でした。猛稽古で磨かれた左まわしからの攻めは秀逸。若くしてベテランのような取り口はまさしく「いぶし銀」で、昭和のお相撲さんのイメージも漂わせています。来場所は三役の可能性もあり、パワーアップすると上位には相当うるさい存在になるでしょう。 (元横綱・稀勢の里)

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