×

五輪夢じゃない!久保建英いとこの凜「100点」 絶対女王に「一緒に走っていて心地いい」と言わせる快走

2024年06月30日 04:30

陸上

五輪夢じゃない!久保建英いとこの凜「100点」 絶対女王に「一緒に走っていて心地いい」と言わせる快走
<陸上 日本選手権第3日>女子800メートル予選、競り合う久保凛(右)と田中希実(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【陸上・日本選手権第3日 ( 2024年6月29日    新潟・デンカビッグスワンスタジアム )】 女子800メートル予選が行われ、初出場の久保凜(16=東大阪大敬愛高)が2分3秒60で3組1着、全体トップで通過した。田中希実(24=ニューバランス)らとのレースを制した。目標とするパリ五輪出場へ、きょう30日の決勝で優勝と参加標準記録の突破を狙う。男子100メートル準決勝は坂井隆一郎(26=大阪ガス)が10秒11で2組1着となり、全体トップで決勝に進んだ。
 まだ高校2年の16歳が、初の日本選手権を堂々と駆け抜けた。予選3組に登場した久保は、号砲が鳴ると一気に前へ。ラスト1周となってから実力者の田中に迫られるが、ギアを入れて突き放す。全体トップの2分3秒60でフィニッシュした。

 「自分のリズムで先頭を引っ張ろうと考えていた。思い通りのレースができたし、体もしっかりと動いている。今のところは100点かなと思います」

 田中と一緒のレースで走るのは4月の選抜中・長距離大会以来。自己ベスト2分3秒50に迫るタイムで再び先着した。「憧れの選手より速く走ることができて自信になる」。そう声を弾ませた久保に対して、田中は「注目度が増しても彼女は自分の走りに集中している。一緒に走っていて心地いい」と評した。

 サッカー日本代表の久保建英(レアル・ソシエダード)がいとこ。自身も小学生の時はサッカーをプレーし、中学から本格的に陸上を始めた。多くの勧誘を受けた中、環境などを気に入った東大阪大敬愛高に進学。昨年の全国高校総体では1年生にして800メートルを制した。

 同校陸上部の野口雅嗣監督(55)は、久保に対して独自のメニューを与え、練習ではほぼ1人で走らせる。それは、無限の可能性に制限をかけたくないから。昨年末、同監督は「来年、800でパリ五輪を目指そう」と言葉をかけた。今季に入って日本GPシリーズ3連勝。結果を重ねることで本人にもスイッチが入った。

 「(決勝は)優勝を目指して、高校記録やパリ五輪の標準を突破できるように。全力で頑張りたい」

 高校2年で同種目を制すれば、99年の西村美樹以来となる25年ぶり。パリの参加標準は1分59秒30で、杉森美保の持つ日本記録(2分0秒45)をも上回るが、可能性はゼロではない。夢舞台の切符を懸け、決勝で再び田中らと競い合う。 (西海 康平)

 ◇久保 凜(くぼ・りん)2008年(平20)1月20日生まれ、和歌山県串本町出身の16歳。小学1年からサッカーを始め、串本JFCでプレー。高学年から祖母の勧めで駅伝大会に出場し、区間賞を獲得。潮岬中から本格的に陸上を始め、23年に東大阪大敬愛高に入学。父・建二郎さんの兄が久保建英の父。1メートル67。

おすすめテーマ

2024年06月30日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム