横田慎太郎さん「奇跡のバックホーム」24歳引退試合で見せた伝説のプレー 昨年にはドラマ化も

2023年07月18日 20:05

野球

横田慎太郎さん「奇跡のバックホーム」24歳引退試合で見せた伝説のプレー 昨年にはドラマ化も
2019年9月26日、鳴尾浜球場での引退試合。8回からセンターの守備に就き「奇跡のバックホーム」を見せた横田慎太郎氏 Photo By スポニチ
 阪神で14年から6年間プレーし19年に現役引退した横田慎太郎(よこた・しんたろう)さんが18日午前5時42分、脳腫瘍のため死去した。28歳。鹿児島県出身。現役引退の原因にもなった脳腫瘍が昨年に再々発。治療を終えて今春から療養に入っていた。
 2013年、阪神にドラフト2位指名を受け18歳でプロ野球の世界に飛び込んだ横田さん。「代打の神様」桧山進次郎氏が背負っていた背番「24」を継承し、恵まれたサイズと類まれなる野球センスで将来の中軸候補として期待された大型外野手。プロ3年目の2016年には開幕スタメンをつかみ取り、38試合に出場し20安打を放った。

 翌2017年の春季キャンプ。さらなる飛躍を胸に誓った横田さんを異変が襲う。頭痛や視界の異常を訴え医師の診断を受けた結果は「脳腫瘍」だった。大手術を受け、もう一度グラウンドに、1軍の舞台に戻ることを目標に闘病、リハビリ生活がスタート。そして2018年には育成選手として再契約を果たした。しかし、1軍の舞台を目指して不屈の精神でトレーニングを続けてきたが、視力が戻らず実戦出場はかなわず。2019年9月、自らの意思でユニホームを脱ぐことを決断した。

 2019年9月26日。24歳の横田さんは背番号「124」を背負い、ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で引退試合に臨み「奇跡」を起こした。2016年9月25日以来、1096日ぶりの公式戦出場で8回2死二塁から中堅の守備に就くと、直後の打者の中前打を処理しノーバンドの本塁送球で補殺を記録。脳腫瘍からの復活を目指し苦闘してきたプロ野球人生最後のプレーで多くの人の心に感動を刻み込んだ。奇跡のエンディングに誰もが言葉を失い、歓喜した。野球の神様が描いた脚本は粋すぎる。横田さんが、現役最後に見せたワンプレー。「バックホームも、練習でも投げたことがない球が投げられて、今まで諦めずにやってきて本当に良かった」。引退セレモニーでのあいさつでは涙を流し、仲間たちに胴上げされ笑顔がはじけた。突然襲われた病魔で、思い描いていたよりも短かったプロ野球選手生活6年。それでも横田さんは「ベストプレーです」と言い切った。

 不屈の精神で1軍復帰を目指し続けた24歳が見せた現役ラストプレーでの「奇跡のバックホーム」は、その後自伝的エッセイとして書籍化され、2022年3月にはテレビ朝日系列で「プロ野球界に語り継がれる感動の実話」としてドラマ化。俳優・間宮祥太朗が横田さん役を熱演。病魔と闘いながらも、決して諦めない一人のプロ野球選手が起こした奇跡が多くの感動を呼んだ。

おすすめテーマ

2023年07月18日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム