権藤博氏が肘、肩の酷使を受け入れた深い理由「弾をかいくぐって帰ってきたら野球ができるだけで…」

2023年11月30日 21:30

野球

権藤博氏が肘、肩の酷使を受け入れた深い理由「弾をかいくぐって帰ってきたら野球ができるだけで…」
権藤博氏(2019年撮影) Photo By スポニチ
 横浜(現DeNA)で監督、中日など4球団で投手コーチを歴任した権藤博氏(84)が下柳剛氏のYouTube「柳に風」に出演。「投げて潰れたら本望」と覚悟していた現役当時を振り返った。
 プロ1年目69試合に登板して35勝を挙げた。投球回は429回1/3。その連投ぶりは「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語を生んだ。

 酷使の背景には「肘が痛いとか肩が痛いとかタルんでる。命まで取られやせん」という当時の指導者の方針があった。

 権藤氏自身も「投げて潰れたら本望」と覚悟してプロ入りしたが、酷使を強いる風潮には戦争体験からの脱却という側面があったと指摘した。

 「戦争で亡くなった(プロ野球の)方もいる。弾をかいぐって帰ってきた体験があるから、野球ができるだけで最高と思うわな。命まで取られやせん」と、連投も生きる喜びのひとつの表現でもあったと説明した。

 権藤氏自身は指導者として「肩は消耗品」を持論とし、日本一に輝いた横浜では中継ぎのローテションを組むなど時代を先取りした。

 その原点として戦争から復員して平和の下、野球を楽しんだ当時のプロ野球があった。肘、肩の酷使でさえ生死をかけた戦争と違って生を象徴する明るい意味があったようだ。

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