広島ドラ2高「記録よりも記憶に残る選手になりたい」 広陵先輩の背中を追い“鉄腕”目指す

2023年11月30日 05:45

野球

広島ドラ2高「記録よりも記憶に残る選手になりたい」 広陵先輩の背中を追い“鉄腕”目指す
仮契約を終えた大商大・高太一(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 いざ「鉄腕」宣言!広島からドラフト2位指名を受けた大商大・高太一投手(22)が29日、大阪府豊中市内で入団交渉に臨み、契約金7000万円、年俸1200万円で仮契約を結んだ。背番号は「22」に決定。左腕は広陵(広島)の先輩に当たる金本知憲氏(本紙評論家=元広島、阪神)、野村祐輔投手のような息の長い選手となることを目標に掲げ、「記録よりも記憶に残る選手になりたい」と決意を新たにした。
 仮契約を終えた高はフッと息をはいた。いよいよプロ野球選手としての歩みが始まる。高い志を言葉に乗せ、決意を新たにした。

 「長年、プレーできて、愛される選手が自分の目標。記録より記憶に残る選手になりたい。(広陵の先輩の)金本さんも、野村さんも、記録も実績もすごいですけど、人間性の部分でも、愛されている選手。そういう選手を目指していきたい」

 目指す選手像は、きわめて明確だ。広陵出身の左腕。同校の先輩に当たり、広島OBでもある金本氏は世界記録の1492試合連続フルイニング出場を誇り、「鉄人」と呼ばれてファンの記録と記憶に残った。そしてチームメートとしてともに戦うことになる野村はプロ初登板から目下208試合連続の先発登板という日本記録を更新し続けている。「野村さんは子どもの頃からエースで投げているのをよく見ていて、すごいなと。そんな人と一緒に野球ができるのは恵まれていることだと思う」。そこへ近づこうとする意識、努力が、目標の「鉄腕」への原動力となる。

 そのためにも今は、来春キャンプまでにもう一度、体を鍛え直す時期とする。「ダッシュをしたり、ジャンプ練習をしたり、ボールを使わないトレーニングで一から体をつくっていこうと思う」。来年1月の入寮までは技術練習を封印し、土台構築に力を注ぐ構え。加えてスケールアップも図る。「まだ(体の)線が細いので全体的に体を大きくしたい。90キロぐらいに乗せたい」と現在の80キロから10キロの増量を計画する。

 「今、一番大切にしているのは準備。練習よりも、そっちを大事にしようと思っている。準備がおろそかになると、痛いところも出てきたりする」

 今年4月に左肘痛に悩まされたことで、改めて準備の重要性を痛感。今はキャッチボールの前に約1時間をウオーミングアップに時間を費やすなど、故障予防にも余念なしだ。

 「1年目は1軍に上がって投げられたら。目標は高く持っておいた方がいい。20試合ぐらい投げられたら」

 先発、救援いずれの起用にも耐える最速151キロ左腕。その視線は、1年目から高みを見据える。 (長谷川 凡記)

 ◇高 太一(たか・たいち)2001年(平13)7月26日生まれ、愛媛県新居浜市出身の22歳。船木小2年から船木パイレーツで野球を始め、船木中では今治中央ボーイズに所属。広陵では3年春から背番号17でベンチ入り。春の選抜大会に出場。大商大では1年秋からリーグ戦に登板し、通算12勝0敗。3年秋にベストナイン受賞。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

 ≪同期に対抗心≫高は同期へ対抗心をのぞかせた。「常広と、滝田は(試合を)見たことがあって、すごいなと。自分は(みんな)ライバルだと思っている。あっちにもライバルと思ってもらえるように頑張っていきたい」。ドラフト1位・常広(青学大)、同3位・滝田(星槎道都大)、同5位・赤塚(中京学院大)、育成1位・杉田(日大国際関係学部)の4人は同学年で同じ投手ということもあり、意識する存在。「(1年目は)ルーキーの中で、一番試合に投げたい」と意気込んだ。

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