ソフトバンク・椎野「後悔なし」引退 来季から球団職員で「チームのために。新しい船出」

2023年11月30日 06:00

野球

ソフトバンク・椎野「後悔なし」引退 来季から球団職員で「チームのために。新しい船出」
20年11月に日本シリーズで登板した際のソフトバンク・椎野
 ソフトバンクから戦力外通告を受けていた椎野新投手(28)が現役を引退することが29日、分かった。来季から球団職員として小久保ホークスを支える。
 「今は、まるで後悔がないですね。ラスト2年間くらいは“やり切ろう”という思いが強かった。多くの方に支えてもらって6年できた。関わってくれた全ての人にありがとうと伝えたいです」と椎野はやり切った心情を本紙に明かした。

 1メートル96、91キロの規格外な剛腕は、デビューから鮮烈だった。1年目だった18年5月27日の楽天戦、3番手で初登板で初被弾した。ただ、19年は6月5日の中日戦で救援し、プロ初勝利を挙げるとブルペンに定着し、36試合5勝2敗6ホールド、防御率3・13と台頭する。通算は78試合6勝4敗、8ホールド、防御率3・87だった。

 一番の思い出は工藤監督時代だった20年日本シリーズ初登板を挙げた。「初めて投げさせてもらって、ビールかけができた。本当に最高でしたよ」。巨人との第2戦で6番手として勝利に貢献した。今季は1軍で11試合登板したが、9月末に2軍行き。それでも「最後の年は2軍の優勝だけを目指して投手みんなでひたすら投げまくった」。最後まで充実感に包まれていた。

 10月28日に来季構想外の通達を受けた。現役続行への思いも続いたが、新潟の両親から「お疲れさま」の言葉や普段通りに接してくれる妻の姿勢に肩の荷が下りた気がした。揺れる思いは落ち着いた。小学4年生で始めた野球をやめて、ホークスを支える決意だ。

 「正直この先、僕に何ができるのか楽しみしかなくなりました。微力ながらチームのために。周囲の手伝えることをやりながら、高い視野を広く使いたい。これは、新しい船出ですかね」。チームの誰よりも高いところから見渡せる椎野の“第2章”が始まる。

 ◇椎野 新(しいの・あらた)1995年(平7)10月10日生まれ、新潟県出身の28歳。村上桜ケ丘、国士舘大を経て17年ドラフト4位で入団。甲子園出場なし。昨季は初の開幕1軍入りで18試合に登板。1メートル96、91キロ。右投げ右打ち。

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