阪神・大山「翔んで茨城」や!観光大使に就任した下妻市活性化計画 大ヒット量産で地元の名前売る

2023年12月04日 05:15

野球

阪神・大山「翔んで茨城」や!観光大使に就任した下妻市活性化計画 大ヒット量産で地元の名前売る
下妻市観光大使に就任し、あいさつをする大山 Photo By スポニチ
 主砲のバットで、地元を沸かせる。阪神・大山悠輔内野手(28)が3日、故郷の茨城県下妻市を訪れ、同市の「観光大使就任式」に出席した。菊池博市長(61)から委嘱された虎の4番は、地元活性化への貢献に意欲。少子高齢化や過疎化に歯止めをかけ、野球少年・少女の希望となる思いを口にした。茨城県は、今年の都道府県魅力度ランキングで最下位。「翔んで茨城」とばかりに、下妻市にとどまらず県全体に活気を与えていく。
 大山が球団38年ぶり2度目の日本一という栄冠を手に、故郷に帰ってきた。栄えある野球人生の全ての始まりこそ、この下妻市。小学生時代に所属した「宗道ニューモンキーズ」の後輩をはじめ、同市を拠点に活動する中学、高校の野球チームの選手、保護者ら計500人が一堂に会した「観光大使就任式」。虎の4番は、直筆サイン入りの阪神の帽子を96人の小学生全員にプレゼントした。

 「僕が育った町。阪神で下妻市出身の僕が頑張ることで、元気を与えたり、目標になってもらえる。試合を見て、野球やりたいな、スポーツ始めたいな、と思ってもらえれば」

 つくば秀英高に進学するまでの15年を過ごした同市には、思い出がたくさん詰まっている。友達と日が暮れるまで遊んだ公園、行きつけだった飲食店…。だが全てが、当時のまま残されているわけではない。世界で猛威を振るった新型コロナは言うに及ばず、少子高齢化、過疎化も進んだ。野球の競技人口も減少し、大山の小学生時代に8つあった少年野球チームも今では4と半減。大山は「寂しさもある」と吐露した。

 「以前通っていた店も閉まっている所も多い。小さいころに遊んでいた場所も(今回)見て回ったが、以前のような感じではない所も増えている」

 04年に映画「下妻物語」が大ヒットし、同年夏に下妻二が春夏通じて初めて甲子園出場。しかし、活況の期間は短く、09年から調査・公表が始まった「都道府県魅力度ランキング」で茨城県は15年間で12度の最下位だ。切ない現実にも負けじと大山は「おいしい物もたくさんある。緑や自然は小さいときから常に触れ合ってきた。体を動かす場所も多い」とPR。「下妻」「茨城」の名前をさらに売るために、使命はただ一つ。攻守の奮闘で虎を勝利に導くことだ。

 「僕の活躍がきっかけで“下妻市に行こうか”という方が増えてくれるだけで全然違う。関西からは遠いが“足を運んでみようかな”と思ってもらえるように頑張りたい」
 茨城県同様、魅力度ランキングで常に下位に沈んできた埼玉県は、19年と今年に公開されたコメディー映画「翔んで埼玉」をきっかけに一躍脚光を浴びた。故郷に再び好況をもたらすため、来季は大山が「翔んで茨城」の主演を張る。(八木 勇磨)

 ▽翔んで埼玉 魔夜峰央原作のコメディー漫画。架空世界の日本で、埼玉県人は通行手形なしで東京都内に入れないといった差別を受けており、自由を求めて立ち上がった埼玉解放戦線の戦いを描く。作中で茨城県は埼玉県を上回る日本の僻地(へきち)として描かれている。19年2月に実写映画版が公開され、23年11月23日から滋賀県など関西を舞台にした続編「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」が公開中。 

 ▽茨城県下妻市 県西部に位置し、下妻町が1954(昭29)年6月1日に周辺町村を編入して市制施行。人口は約4万2000人。嶽本野ばら原作の小説で04年に深田恭子主演で公開された映画「下妻物語」の舞台としても知られる。生息地があり市が保護活動を続けている国蝶・オオムラサキを題材にした「シモンちゃん」がイメージキャラクター。

おすすめテーマ

2023年12月04日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム