モレノオーナーのエンゼルス 結局23年もぜいたく税の基準額以下、8月末の5選手放出が実る

2023年12月04日 09:39

野球

モレノオーナーのエンゼルス 結局23年もぜいたく税の基準額以下、8月末の5選手放出が実る
エンゼルスのオーナー、アート・モレノ氏 Photo By スポニチ
 エンゼルスの23年のサラリー総額が2億3300万ドル(約341億円)のぜいたく税の基準額をわずかに下回っていたことがわかった。オレンジカウンティレジスター紙のジェフ・フレッチャー記者が「3万ドル(約439万円)以内だった」と報じている。
 エ軍のアート・モレノオーナーは球界関係者の間では、ぜいたく税を払うのが嫌で、サラリーキャップのように使っていると見なされている。実際、エ軍は04年以降、基準額を上回ったことは一度もない。しかし今季はオフにFAになる大谷翔平を引き留めるため、トレードデッドライン前の7月下旬、ポストシーズン進出を目指して積極的な補強。ぜいたく税を払う覚悟を固めた。

 ところが補強は実らず、8月は8勝19敗の成績でポストシーズン進出は不可能に。一転、2億3300万ドルの基準額を下回ろうと、月末に6人の選手をウエイバーにかけ、そのうち5人が他球団にクレイムされた。これで5人分の残り1か月のサラリーは払わずに済んだ。さらに試合に出ていなかったマックス・スタッシーを制限リストに入れ、その分も節約した。とはいえ、複雑な細かい計算はMLB機構が行うから、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMですら、基準額を下回れたかどうかはわかっていなかった。ようやくその答えが出て、3万ドル(約439万円)以内だったが下回ったのである。

 これでモレノオーナーはぜいたく税を払わずに済むのだが、ミナシアンGMにとってとても重要なのはFA大谷を失った時に補償で与えられるドラフト指名権のこと。基準額を超えていれば4巡の後(全体140番の範囲内)だったが、2巡の後(全体70番の範囲内)になった。

 ただこういったエンゼルスのやり方について、スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は冷ややかだ。「エンゼルスの悪ふざけ/ごまかしが上手く行った」という書き出しで非難。米データサイト「ファングラフス」によると来季のエンゼルスのサラリー総額は1億6420万ドル(約240億円)で、24年の基準額の2億3700万ドル(約346・8億円)よりかなり低い。しかしながらこの数字に近づくのは大谷と再契約できた時のみで、そうなると予測する人は球界の中でとても少ないとしている。

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