阪神・森下 「めちゃくちゃいい経験」本場所中の高砂部屋で超異例の“出稽古トレ”

2024年01月22日 05:15

野球

阪神・森下 「めちゃくちゃいい経験」本場所中の高砂部屋で超異例の“出稽古トレ”
高砂部屋で稽古した(左から)阪神・森下、株式会社Rebase代表取締役の池田則仁氏、幕下の朝志雄、中日・上林 Photo By スポニチ
 阪神・森下翔太外野手(23)が21日、都内で大相撲の高砂部屋に体験入門した。同じトレーニング施設に通う自主トレ仲間の中日・上林誠知外野手(28)が元横綱・朝青龍などを輩出した名門部屋の力士・朝志雄と交流があり、一日弟子入りが実現。今後は体験した四股や股割りなどを練習に取り入れる予定だ。今季は「20本塁打」を目標に掲げる期待の若虎が超異例の“出稽古”を2年目の飛躍につなげる。 
 森下が出稽古した。訪れた先は、都内にある高砂部屋。黒いスパッツとTシャツ姿で、「イチ、ニー」、「ヨイショ」のかけ声を上げ、力士と一緒に、すり足で土俵をグルグルと回った。股割りもした。ぶつかり稽古もした。約2時間、見るもの触れるもの初めての世界を満喫した。

 「めちゃくちゃいい経験になりました。相撲はコンタクトスポーツなので、理にかなった動きでないと、相手に簡単に倒されてしまう。特に股関節の使い方は、野球につながる部分なので、貴重な時間になりました」

 朝稽古で最もきつかったのは、四股だ。自ら「体が硬い」と認める体質。「きつい、きつい」の声が自然と漏れた。時に着地でへっぴり腰になりながら、懸命に足を上げ続け、200回をやりきった。周囲を見れば、身長1メートル82、体重90キロの自分の体が寂しく感じるほどの巨体の持ち主が、軽々と足を上げていた。

 「あの体の大きさで姿勢良く、股関節を思い通りに動かしていた。凄いと思った」

 打撃に置き換えれば、股関節のスムーズな動きは円滑な体重移動を生み出す。すなわち、飛距離アップや変化球への対応をもたらす。オフのテーマとして「股関節をうまく動かすこと」と掲げてきただけに、“シコふんじゃった”が目から鱗(うろこ)になった。

(四股を取り入れたい/) 「これから練習前に四股を取り入れたい」
 中大時代から通うトレーニング施設「Rebase(リベース)」の仲間、中日・上林が、同部屋の朝志雄と交流があったことで、2人そろってお邪魔した。朝青龍を輩出した名門部屋に漂う本場所中のピリピリした空気も、稽古後の元大関の朝乃山(西前頭七枚目)との記念撮影も、ちゃんこ鍋の味も、全てが財産になった。

 「ちゃんこもおいしかった。他にも、卵焼きやチャプチェを作っていただいた。全部、おいしかった」

 通算400勝の大投手、金田正一氏は現役時代に四股を練習に取り入れたことで有名。今年はヤクルト・石川、小川らが押尾川部屋で相撲トレに励み、今も昔も、野球界と角界は接点がある。若虎が一日体験入門の先に見据えるのは、昨季の10本塁打を上回る20発。目標をかなえれば、横綱級の存在感を発揮することになりそうだ。 (倉世古 洋平)

 ≪プロ野球選手の異種目自主トレ≫
 ★体操 近本(神)は22年にバック転とバック宙に挑戦。脳のイメージと実際の動きの差を埋める「コーディネーショントレーニング」の一環で、ヨガやサッカーなども実施。

 ★プロレス 佐藤蓮(神)は23年、全日本プロレスに1日限定の入門。トップレスラーからケガをしない体づくりを学んだ。若手レスラーのドロップキックが顔面にヒットするアクシデントも。

 ★相撲 K―鈴木(オ)は20年、元横綱・武蔵丸の武蔵川親方が指導する武蔵川部屋に“入門”。まわしを着け、四股を中心とした基本動作を学び、下半身強化に励んだ。

 ★競輪 西武が11年まで新人合同自主トレで導入。1000メートルのタイムトライアルが恒例だった。松坂大輔は04年と05年にも自ら取り入れ、修善寺・日本競輪学校でトレーニング。

 ▼幕下・朝志雄 四股の正しい姿勢を伝えたら、「(森下君は)こうやって腰を入れた方がスイングしたときも力が入りそう」と口にしていた。上林君より、森下君の方が股関節が硬かった。本人もそれを気にしていたので、四股や股割りは効果的だから、続けてみては?と伝えた。(九州場所で偶然、上林と居酒屋で遭遇したことで連絡を取る仲になった)。

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