阪神・佐藤輝 ド派手OP戦開幕弾「しっかり角度がついて、良い当たり」 実戦全6試合で快音

2024年02月24日 05:15

野球

阪神・佐藤輝 ド派手OP戦開幕弾「しっかり角度がついて、良い当たり」 実戦全6試合で快音
<巨・神>3回2死二塁、阪神・佐藤輝は右越えに2点本塁打を放つ。投手赤星(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【オープン戦   阪神4ー9巨人 ( 2024年2月23日    セルラー那覇 )】 阪神はシーズン初戦(3月29日、東京ドーム)の相手となる巨人と対戦し、佐藤輝明内野手(24)が特大の2ランを放った。3回に赤星から、右翼スタンドの防護ネット上部を直撃する推定飛距離125メートル弾。ド派手な今春オープン戦の12球団1号アーチとなった。課題の三塁守備でも気を吐いた背番号8が、プロ4年目を迎える今季の確かな飛躍を予感させた。
 曇天のスタジアムに、佐藤輝が一筋の虹を架けた。1―7と劣勢の3回2死二塁。巨人の2番手・赤星が投じた初球の145キロ内角直球を砕くと、白球は逆風にあらがい、右翼スタンドの防護ネットを上部を襲った。今春の実戦全6試合安打につなげた驚速の弾丸。淡々とダイヤモンドを一周する背番号8は、心地良さそうに南国の歓声を浴びた。

 「1球で仕留められたので、そこは良かった。しっかり角度がついて、良い当たりが打ててよかった」

 第1打席に予兆はあった。カウント1―0からド真ん中の直球を鋭く遊撃左へのゴロ。やや二塁寄りに守っていた門脇にさばかれはしたが、打球は痛烈そのもの。舞台が人工芝なら、中前に抜けていてもおかしくなかった。「ちょっと差し込まれましたけど、いい当たりが打てた。あとは角度がつけば(と思っていた)」。直後の今春オープン戦12球団1号本塁打は、偶然の産物ではない。

 堅守でも沸かせた。先発・伊藤将が打ち込まれ、0―7。打順が2回り目に入った初回1死一、二塁で、カーブを引っ張り込んだオコエの三塁線へのゴロを逆シングルで華麗に捕球し、三塁ベースを踏んだ。同期左腕を助ける好守。「しっかり一つでもアウトを取れるようにしたい」。宜野座キャンプ中に鳥谷敬臨時コーチから教わった守備の極意。連日特守を繰り返し、体に染み込ませてきた成果が表れつつある。

 猛虎にシン・佐藤輝あり――。試合には敗れたとはいえ、3月29日からの開幕カードで相まみえる宿敵に、進化を遂げた姿を強烈に印象づけた。昨年12月、大物大リーガーも集う米シアトルの最先端野球トレーニング施設「ドライブライン」を訪れ、打撃フォームを“メジャー仕様”に改新。習得を目指してきた「やや前傾気味の姿勢から繰り出す、無駄のないスイング」も、いよいよ我が物になってきた。

 24日ヤクルト戦(浦添)、25日中日戦(北谷)で、沖縄での実戦は終了。当然、たった1本の本塁打で満足するような男ではない。「自分の中で課題を考えて、実戦で試したい」。総仕上げの2試合でも、鮮やかなアーチを描くつもりでいる。(八木 勇磨)

 ○…佐藤輝(神)のオープン戦初戦本塁打は、新人の21年3月5日ソフトバンク戦、2回の初打席で打って以来2本目。同年は6本を放ち、新人選手では58年7本の長嶋茂雄(巨)以来63年ぶりのオープン戦本塁打王に輝いている。これで開幕前対外試合の本塁打は通算13本目。過去12本でチームは10勝0敗2分けだったが、今回初の黒星となった。

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